山口なつおOFFICIAL SITE

メニュー

FacebookTwitterLINE

活動レポート

ホーム活動レポートロシアのウクライナ侵攻は長期化の様相

ブログ「本音でズバッと」

ロシアのウクライナ侵攻は長期化の様相

2022.05.11

ロシアにとって9日は、対ナチス・ドイツ戦の戦勝記念日であり、国内28都市で軍事パレードが行われた。首都モスクワの式典では、ウラジーミル・プーチン大統領の演説が注目された。

ウクライナへの侵略開始から2カ月以上が経過したが、祖国を守ろうとするウクライナ軍の必死の抵抗もあり、ロシア軍の苦戦が指摘されている。

当初、ロシア側は首都キーウ(キエフ)をそれほどの反撃もなく、早期に陥落させられると見込んでいたようだ。だが、頑強な抵抗のために撤退を余儀なくされ、9日までに一定の戦果を挙げようと東部ドンバス地域に戦力展開を図ったが、思うように支配地域を拡大できていない。

プーチン大統領の演説は、当初予想された「戦争状態」の宣言はなく、「核兵器」への言及もなかった。「ロシアの兵士が、ドンバスで祖国のため、未来のために戦っている」と一方的に語った。ロシアのウクライナ侵略は長期化の様相を呈してきた。

5月3日の憲法記念日に合わせて報道各社の世論調査が行われた。ロシアのウクライナ侵略の影響もあり、憲法改正に賛成する意見が増えているだけでなく、憲法9条への自衛隊明記についても「賛成」が「反対」を上回る傾向である。毎日新聞の調査では、賛成58%、反対26%とダブルスコアであり、昨年より差が開いている。

相変わらずの「改憲反対」を叫ぶ一部野党もあるが、国民はロシアによる力の一方的行使が起こっている現実から、日本はどうすべきかと考え始めているのだろう。

興味深いことに、NHKの調査で、9条改正の理由を尋ねたところ、賛成の理由の1つとして、「海外で武力行使ができるようにすべきだから」とする一方で、反対の理由に「海外での武力行使に歯止めがなくなるから」を挙げる意見とがぶつかっている。

自衛隊の存在は、ほとんどの国民が容認している中で、あえて憲法に明記する意味がどこにあるか。感覚的な選択ではなく、実質的な判断の分かれ目が、このNHKの調査から垣間見える。

GWも終わり、参院選公示まで1カ月余りとなった。選挙に挑む政治家はここからは一瀉千里(いっしゃせんり=物事がどんどん進むこと)の感覚である。

この度の参院選は、昨年の衆院選を経たばかりの岸田文雄政権が与党の安定基盤を確保して、「コロナ克服」と「日本再生」を進められるか否かが懸かる重要な選挙である。

2年を超えるコロナ禍の影響は深刻であり、国産のワクチンと治療薬を開発実用化できる感染症に強い国をつくりたい。ロシアのウクライナ侵略も他山の石とし、防衛の備えを固め、対話による外交の新たな枠組みを構築していく。

物価高騰に脅かされる国民生活を守っていけるのは、きめ細かくネットワークを活かす公明党のいる自公連立政権である。参院選前後の政治空白にも補正予算を用意して機敏に対応できるようにする。これからの社会経済を担う人を育てる「子育て応援トータルプラン」を掲げる。

(公明党代表)

【2022年5月10日(9日発行)付 夕刊フジ掲載】