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ブログ「本音でズバッと」

与党の選挙協力はまだ明確ではない

2024.04.03

岸田文雄首相は、10日を軸に訪米する予定だ。2015年の安倍晋三首相以来9年ぶりの国賓待遇となる。

ジョー・バイデン米大統領のもとで、かつてないほど良好な日米関係の強化が図られてきた。岸田首相は「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなか、強固な日米同盟を示す機会にしたい」と述べ、米側も「不朽の日米同盟の強さ、日本に対する揺るぎない米国の責務、国際場裏で増す日本の指導的役割を強調する訪問となる」と意義づける。今日の日米同盟の重要性を確認する日米首脳会談となることを期待したい。

会談後に共同記者会見を開き、公式夕食会に臨む。上下両院合同会議での演説や地方視察も予定されている。

この秋の大統領選挙を前にしての訪米であることから、議会演説は民主・共和両党の有力議員に日本の立場を理解してもらう絶好の機会となる。ノースカロライナ州ではトヨタの電気自動車(EV)に搭載する電池の生産工場を視察する予定であり、米国内に新たな投資と雇用を生み出す動きをしっかり印象づけてもらいたい。

このところ、岸田首相の北朝鮮訪問が取り沙汰されている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏による岸田首相の訪朝に関する談話が2度にわたり報じられ、首相も訪問の意向を否定しないことから、にわかに関心が高まっている。北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」を繰り返し、林芳正官房長官は「解決済みとの主張は受け入れられない」と突っぱねる。岸田首相は「諸懸案を解決するためにはトップ会談が重要であり、私直轄レベルで働きかけを行うと申し上げてきた」と意欲を隠さない。

拉致被害者の家族の状況を考えれば、早く会って交渉することが求められ、諸懸案を解決できる働きかけが奏功することを願わずにはいられないが、水面下のことは分からない。北朝鮮は、日本の内政状況を注視しているし、韓国の国会議員選挙、岸田首相の訪米、日米韓3カ国首脳会談の7月開催調整などもにらんでいる。このタイミングでは慎重な考慮も必要だ。

訪米から帰国すると、16日告示の衆院3補選が始まる。全て自民党の議席であったが、候補者を公認するのは島根1区のみとなりそうだ。「政治とカネ」をめぐる有権者の不信は根深く、与党で選挙協力する取り組みはいまのところ明確になっていない。

自民党は、党紀委員会を招集し、4日にも関係議員の処分を決める予定だ。政治責任の程度に応じて処分するというが、当事者と有権者がどう受け止めるか見守りたい。

与党としては、再発防止策として政治資金規正法の改正を推進し政治への信頼回復に謙虚な姿勢で臨むことや、成立した予算と税制によって国民生活を支える施策を真摯(しんし)に訴える以外にない。

(公明党代表)

【2024年4月3日(2日発行)付 夕刊フジ掲載】