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ブログ「本音でズバッと」

バイデン米大統領初会見に見た中国への姿勢

2021.03.31

東京五輪の聖火リレーが25日、東日本大震災から10年を経た福島県からスタートした。新型コロナウイルスの影響で1年間延期されたが、「復興五輪」と位置づけられる今大会のリレーが、復興の拠点となった福島県の「Jビレッジ」から出発できたことを喜びたい。

もちろん、新型コロナの感染は予断を許さないし、福島の復興も道半ばであり、「違和感」を訴える人もいる。このことを強調して、一部の野党やメディアは批判している。しかし、これまで日本人は、幾多の大規模災害や戦争の被害を何度も何度も乗り越えてきた歴史をもつ。

さまざまな理由で聖火ランナーを辞退や欠席した人もいるなかで、車椅子で走った浪江町出身のあるランナーが「震災と原発事故があっても、多くの人の支えで暮らしている自分の姿を見てもらいたい」と語り、「復興は、まだ道半ばだと思う。それでも、障害がある自分が走ることで、町民が生き生きとしている姿を世界に発信し、障害がある人を勇気づけたい」と話す姿に感銘を受けた。

多くの苦難を乗り越え、また抱えながら、世界の人々に「人類の協力の証、日本人の底力」を伝えるような五輪にしていきたい。

ジョー・バイデン米大統領は25日(日本時間の26日)、就任後初めての公式記者会見をようやく開いた。

この中で、習近平国家主席率いる中国が軍事的プレゼンスを拡大するなか、最大の外交課題とする中国との関係について、「民主主義と専制主義の戦い」と位置付け、「(中国は最強の国を目指すが)目の当たりにすることはない」と述べた。近く、民主主義の同盟国首脳を米国に招き、結束を確認する「民主主義サミット」を実現させたい考えを示した。

先日、米アラスカ州アンカレジで行われた米中外交トップ会合も、香港や新疆ウイグル自治区での人権問題をめぐり、米側は深刻な懸念を示し、中国側は内政干渉と反発するなど激しい応酬があったばかりである。「台湾有事」や「尖閣有事」という言葉で危機を煽るむきも出てきた。

バイデン氏は先の会見で、「厳しい競争になるが衝突は望んでいない」と語り、中国外務省の報道官は「米国に対抗する気はない」とも述べた。

米政府は26日、「バイデン大統領が4月下旬にオンラインで開催を予定している気候変動対策サミットに、世界の指導者40人を招待した」と発表した。ここには、日本の菅義偉首相をはじめ、中国の習主席や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も含まれる。

硬軟織り交ぜた複雑な外交姿勢に、わが国も難しい対応を迫られる。唯一の同盟国である米国との絆を強固にし、最大の貿易相手国である中国との関係もおろそかにはできない。

コロナ禍のなか、日本は対話の道を積極的に主導していくことが大切である。

(公明党代表)

【2020年3月31日(30日発行)付 夕刊フジ掲載】