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活動レポート

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ブログ「本音でズバッと」

国会運営では対決法案の回避を

2024.11.13

公明党は9日、臨時全国大会を開催し、石井啓一代表の後任として、斉藤鉄夫氏を新代表に選出した。また、西田実仁幹事長を執行部の要として続投させ、赤羽一嘉副代表を中央幹事会会長と兼任させて軸を固めた。

その上で、次世代への布石として、岡本三成政調会長と三浦信祐選対委員長を続投させ、新たに竹谷とし子女性委員長を14年ぶりの代表代行に起用した。加えて、中野洋昌青年局長を国土交通相に推し、石破茂首相から任命された。

斉藤代表の就任は、少数与党の政権運営に不透明感がある中、党の要職を歴任し、閣僚経験を有するベテランの経験と人脈が重視されたからである。とくに、来年は都議選や参院選をにらみ、各党が存在感を出そうとしのぎを削ることになる。野党の立ち位置にバラツキがあるので政権運営は容易ではない。この状況で、次世代にいっぺんに全ての責任を任せるのは荷が重い。

しかし、「人は石垣・人は城」といわれるように、着実に力をつけた次世代を積極的に登用する流れは変わらない。このたびの衆院小選挙区で期待の人材が惜敗したのは悔やまれる。何としても這(は)い上がり、捲土(けんど)重来を期してもらいたい。

比例区で勝ち上がった新人4人は将来が楽しみだ。来年の参院選に挑む議員たちは実績を持った粒ぞろい。新旧交代で有望な新戦力も投入されるだろう。参院選を乗り越えれば展望が開けていく。

これからは、有権者とのコミュニケーション力が勝負だ。SNSなどを駆使して、議員個人の人となりや党の説得力のある取り組みを、もっと知ってもらうことである。TikTok(ティックトック)などショート動画を使った好例も出てきた。若い世代の共感が広がる発信をみがく必要がある。

斉藤代表は、これまで蓄えたあらゆる力を出し切って次世代へと繋(つな)ぐ捨て石となる覚悟で頑張ってもらいたい。

11日から特別国会が開会され、決選投票の結果、石破氏が首相指名を受け、直ちに組閣した。少数自公連立政権の多難なスタートである。その象徴とも言うべきか、17ある衆院の常任委員長のポストが7つも野党に配分さることとなった。中でも、厳しい交渉の末、予算委員長を野党がとり、立憲民主党の安住淳元財務相が委員長に就任した。

国会運営は、予算案の熟議が要求され、従来の与党ペースですんなり年度内成立とはいかなくなる。そうは言っても、国会のルールにより、委員長は党派を離れて中立的な立場をとり、審議の手続きや累積時間には一定の慣例がある。また、国民生活に重大な影響のある予算を人質にとるようなパフォーマンスが過ぎれば野党も批判を免れない。

政府与党は、緊張感と結束力をもって国会運営のミスを防ぎ、対決法案もできるだけ回避すべきである。

(公明党常任顧問)

【2024年11月13日(12日発行)付 夕刊フジ掲載】