参院外交防衛委員会で質問〜国に望ましい貿易政策を〜

山口なつおは、5月15日、参院外交防衛委員会で、インドネシア・ブルネイとの経済連携協定(EPA)と日中刑事共助条約について政府の見解を質した。

質問の中で、日本が、ブルネイ、インドネシアなど二国間でEPAを締結するとともに、ASEANともEPAを締結するアプローチを取っていることに関して、このアプローチの有益性および、各国の貿易政策について質した。また、貿易政策全般を考えた場合、本来であれば、WTOドーハラウンドで多国間での交渉を締結するということの方が国益実現にとっては望ましい姿ではないかと指摘し、政府の見解を質した。

それに対して高村外務大臣は、「経済連携協定は、WTOを補完し、我が国と深い経済関係を有する国との間で更なる貿易や投資の自由化を推進するとの観点から有益であると」と述べ、WTOを補完する立場からも今後も各国とのEPA交渉を進めていく方針を示した。

また、日本・インドネシア経済連携協定で、看護師、介護福祉士の受入れを認めていることに対して、少子高齢化に対応する労働市場の変化を展望した場合に「特定の分野を定めて労働者を受け入れる道を開くもの」と評価し、このようなEPA締結の今後について質した。

それに対して、高村大臣は、「出入国管理政策の枠内で行うものでありまして、いわゆる単純労務者を受け入れるものではない」としながらも、交渉相手国の要請や日本の出入国管理政策等を考慮し、これら労働者の受け入れを推進していく方針を示した。

次に、日中刑事共助条約について質問した。質問の中で、台湾が我が国に隣接し、人的・経済的な交流が頻繁である一方、台湾籍の人が日本国内で犯罪を犯し、国外逃亡者が二桁に達している現状を指摘。中国の一国二制度の下で香港とも別途条約を締結するのに対して、台湾は独立した国家主体ではなく中国の一部であるとの認識のもとで刑事共助の国際合意から外れていることは好ましくないとし、刑事捜査の協力関係構築を訴えた。

■経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)
2ヵ国以上の国(又は地域)の間で、自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素(物品及びサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等を含めて締結される包括的な協定。

■刑事共助条約
刑事共助条約とは、一方の締約国が他方の締約国の要請により刑事事件の捜査、訴追等に必要な証拠を提供する等の共助を実施すること、また、そのために外交ルートを通じることなく条約の定める中央当局間で直接連絡を行うこと等を規定する条約。条約が発効すれば、両国の捜査機関による情報交換や供述調書の相互提供などが可能となり、刑事手続きの迅速化が期待される。