慰安婦問題「文政権は賢明な振る舞いを」

掲載記事2018年01月10日 (水曜日)

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夕刊フジの読者の皆様、明けましておめでとうございます。今年もズバッと切り込みますので、よろしくお願いします。

元旦は穏やかな晴天に恵まれ、東京・葛飾区のわが家から初日の出を見ることができた。さえぎるものがない朝日のまぶしさは、全身にエネルギーを注ぎ込んでくれるような、爽快な気分を味わわせてくれた。太陽が誰に対しても、公平に光とぬくもりをもたらすように、すべての人々に安心感を届けられるような1年にしたいと決意した。

特に、北朝鮮問題を国際連携のもと平和的に解決し、教育負担の軽減を実現し、実効性ある事業承継税制を実施していきたいと思う。

公明党が政権にいる安心感を強めていきたい。

いよいよ2月に、韓国で平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックが開幕する。朝鮮半島情勢が緊迫するなか、「平和の祭典」として、世界各国の選手の活躍が期待される。

私は昨年11月末、平昌五輪会場を視察したとき、韓国の五輪関係者が「アジアで冬季五輪を開催したのは日本が2回だけ。韓国と中国が開催すれば、東アジアが冬のスポーツの国際拠点になれる」と意気込んでいたのを思い出す。

また、五輪関係者は「冬季五輪を開催できる条件は難しい。雪や氷のある場所に世界のお客さんを迎えられる都市がないのが難点です。札幌や長野は恵まれていました」とも語り、「だから、宿泊と飲食サービスの整ったソウルと、スキー競技が行われる平昌、スケート競技などが開催される江陵(カンヌン)を高速鉄道でつないで観客を往復させなければなりません」などと苦労話を披露していた。

こうしたなか、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日、大統領府で元慰安婦らと懇談し、2015年の慰安婦問題に対する日韓合意について、「この合意では、慰安婦問題が解決したと受け止めることはできない」と表明した。文氏が「おばあさんたちの意見も聞かずに合意したことを謝罪する」とまで語ったことは極めて残念だ。一方で、文氏は「政府間の公式合意だった事実は否定できない」とも述べている。

日本政府は「合意を変更しようとするのであれば、日韓関係はマネージ不能となり断じて受け入れられない」と抗議した。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相も「重要な隣国の日本との関係も管理すべきだ」と語っている。

日韓合意は、両国政府が「最終的かつ不可逆的に解決」すると確認したうえで、日本政府は10億円の支払い義務を実行した。受け取った10億円の一部は、韓国政府が財団を通じて約7割の元慰安婦たちに、受け取る意思を丁寧に確認して、支払い済みとなっている。

この歴然たる事実を踏まえて、文政権は、賢明に振る舞ってもらいたいと思う。

平昌五輪・パラリンピックを、日韓協力のもと晴れやかに迎えたいものだ。(公明党代表)

【2018年1月10日(9日発行)夕刊フジ掲載】

今年は波乱の1年

掲載記事2017年12月28日 (木曜日)


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今年は「波乱の1年だった」

今年は「波乱の1年」だった。年明け間もないころは、前年の英国EU離脱や米大統領選などに続き、主要国の選挙が予定され、「不透明な展開」を語る人が多かった。

韓国やフランスの大統領選で政権交代が起こり、英国やドイツの国会議員選挙でも与党が後退し、政権が揺さぶられた。中国では、大物の失脚などを経て、習近平指導部の大幅な交代で新体制がスタートした。

こうした動きに日本は、安倍晋三首相が10月に衆院選を断行した。

先立つ7月の東京都議選では、圧倒的な人気の小池百合子都知事に対抗姿勢をとる都議会自民党は、閣僚の失言なども重なり惨敗した。加えて、いわゆる「モリカケ問題」が尾を引いて、内閣支持率が下落し、十分に回復しないなかで、安倍首相は衆院解散に踏み切った。

都議選を機に、小池氏らが国政進出の準備を整える前に、機先を制しての解散という意図もあったろう。あにはからんや、小池氏は「希望の党」を立ち上げて、民進党を丸のみする一大勢力をつくるかに見えた。しかし、「排除」発言があだになり、失速した。

与党は勝利したものの、公明党は、衆院選直前のスキャンダル報道や、民進党分裂による新党参入のあおりも受けて、議席を減らした。まさに薄氷を踏む勝利であった。

「モリカケ問題」は、決め手を欠きながら政権を悩まし続けた。世論調査で「政府の説明に納得できるか」の問いに、「できない」とする回答が高止まりしている。会計検査院の報告や、国会での議論を生かして再発防止策を確立しなければならないが、説明責任は尽きていない。

北朝鮮の軍事的挑発が続いている。

弾道ミサイルの発射が2月から9月まで毎月続き、11月までに16回に及んだ。国連安全保障理事会の制裁決議が重ねられ、日米韓はもとより、中国やロシアなども連携して「北朝鮮の非核化」を共通目標に、圧力を高め、最終的な平和的解決を目指している。

私も9月以降、ロシア、韓国、中国を相次いで訪問し、日本との関係改善や、北朝鮮問題での連携強化に対話を重ねた。

来年こそ、課題解決に実りある年にしたいものだ。

気になるのは、日本の国技、大相撲である。元横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に暴力を振るったことで、引退を余儀なくされた。大柄ではないが、鋭い出足に惜しむ声は多い。だが、横綱ともなれば、暴力に訴えることは許されない。問題は、貴ノ岩の診断書を貴乃花親方が警察に提出したことが発端なのに、貴乃花親方から相撲協会がなかなか事情を聴けなかったことだ。元横綱朝青龍の引退も暴力がきっかけだった。

甘さを廃して、他山の石としてもらいたい。

【2017年12月27日(26日発行)夕刊フジ掲載】

軽視できない中東情勢への「懸念」

掲載記事2017年12月13日 (水曜日)

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トランプ氏のエルサレム首都認定

特別国会が9日閉会した。衆院選を終えて、野党は強行に実質審議を要求した。与党も謙虚な姿勢で、安倍晋三首相の所信表明と代表質問、予算委員会、人事院勧告実施のための給与法関連質疑などに合意した。外交や予算編成作業と並行しながら、タイトな日程を丁寧に対応した。

振り返って、期待された「建設的な議論」とは、ほど遠い結果に終わった。

与野党の質問時間の配分を変えて、与党への配分を少し増やした。与党も、官邸主導と言われないよう、「生産性革命」や「人づくり革命」などの経済政策や財政健全化の課題、緊迫する北朝鮮情勢などで、国会で政府と議論する必要があったからだ。

野党は、相変わらず「森友・加計学園問題」に、ほとんどの時間を費やした。「疑惑」の印象を振りまくだけで、新しい事実の指摘も乏しく決定打を欠いたように思われる。森友問題に関する会計検査院の報告が取り上げられたが、結局、あるべき評価方法や妥当な評価額については議論が煮詰まらなかった。

安倍首相は、検査院報告を「真摯(しんし)に受け止める」と述べたが、政府は、再発を防ぐために、文書管理のあり方を見直し、評価額の妥当性を検証できるようにすべきである。

北朝鮮問題やアベノミクスに対する野党の突っ込みが不十分だったのは、残念だ。

党首討論も機を逸し、通常国会も含めて、本年は一度も行われなかった。本来、大局的な国政運営の課題を党首同士で議論を交わし、国会論議を活性化させようという趣旨でスタートした。野党こそ、政権交代を誘う議論に挑んでいいはずだ。だが、その意欲は伝わってこなかった。

これらの背景には、衆院選を機に、民進党が分裂し、衆参の野党第1党が異なり、統一的な戦略を描きれず、野党間の足並みもそろいにくいという事情もあるかもしれない。

内外の課題が山積する今こそ、活発で建設的な議論が国会に望まれる。

ドナルド・トランプ米大統領は6日、「エルサレムをイスラエルの首都と認定する」と宣言した。これには、中東諸国はもちろん、英国やフランス、ドイツ、中国、ロシアなど、国際社会が一斉に反発し、わが国の河野太郎外相も懸念を示している。

何次もの中東戦争を繰り返し、イスラエルとパレスチナが共存できるよう当事者の交渉によって解決することを国際社会は促してきた。東エルサレムは、パレスチナ自治政府が「将来の首都」ともくろんでおり、世界各国は、大使館をエルサレムではない、商都テルアビブに置いている。

懸念が、暴力の応酬となって顕在化し始めている。公約実現をアピールする姿勢が外交的信頼を低下させ、中東情勢を不安定にする事態を招く影響を軽視してはならない。(公明党代表)

【2017年12月13日(12日発行)夕刊フジ掲載】

課題克服へ

掲載記事2017年11月29日 (水曜日)

文大統領会談の全容

3127_001 2.jpg私は22日から25日まで、公明党を代表して韓国を訪問した。折からの北朝鮮問題への対応や、日本で開催予定の日中韓サミットへの参加などで、政府間だけでなく、与党としても認識を共有し、政府をサポートするためだ。

また、公明党は、韓国とは長年の政党交流がある。文在寅(ムン・ジェイン)政権や議会関係者と接触を図り、新たな交流の歴史を開く必要もあった。

文大統領とは23日、青瓦台(大統領府)で会談した。文氏は「私と山口代表は、弁護士の仕事を始めた年が同じだ」と切り出し、親しく和やかな雰囲気で会談が進んだ。

私は、安倍晋三首相の親書を伝達した。文氏はその場で目を通し、うなずきながら「日中韓サミットの早期開催を期待し、喜んで日本を訪問したい」と意欲を示した。

北朝鮮問題について、私は「国際社会が結束して圧力を高め、北朝鮮に行動を改めさせることが重要だ。その結束が平和的解決につながる」と主張した。

文氏は「日本が韓国と同じ立場に立って、国際社会の協力を引き出すことに主導的な役割を果たしていることに感謝する」としたうえで、「われわれは、北朝鮮に最も強い制裁と圧迫を加えており、これらを通じて北朝鮮に核を放棄させ、対話のテーブルに引き出すために認識を同じくする必要がある」と語った。

さらに、文氏は「自分は日本との関係をとても重視している。韓国には『遠くの親戚(しんせき)よりも隣人が大事』との言葉があるが、隣国同士で良い関係を築いてこそ、共同発展ができる。歴代大統領の中で、最も日本の首脳と緊密に協議している」と強調した。

私が「両国にはさまざまな課題があるが、これらの課題を適切にマネージし、本物の未来志向的な関係を築く重要な時期を迎えている」と訴えると、文氏は「さまざまな問題があるが、あらゆる関係発展の土台となるのは、信頼である。双方の好意的な感情が必要である」と応じた。

文氏は、両国の議員連盟や政党間交流の重要性にも触れた。

これまでも、課題の克服に、議員連盟の果たしてきた役割は大きい。来月には、韓国側の議員連盟が訪日する予定である。丁世均(チョン・セギュン)国会議長や、姜昌一(カン・チャンイル)韓日議員連盟会長、大統領特使として今年5月に来日した文喜相(ムン・ヒサン)議員らとも会談し、政治家同士が関係改善に果たす役割の重要性を確認し合った。

総じて、慰安婦問題をめぐる日韓合意を前提に、両国の国民感情のズレに慎重に対応する姿勢がにじみ出ているように感じた。

平昌(ピョンチャン)と、江陵(カンヌン)にある冬季五輪の主要施設と新高速鉄道の試乗を含めて、康京和(カン・ギョンファ)外相が、われわれと外交団を案内した。障害者にも配慮した立派な施設が完成しつつある。「平和の祭典」を世界が願っている。(公明党代表)

【2017年11月29日(28日発行)夕刊フジ掲載】

世界に示せた日米同盟の固い絆

掲載記事2017年11月15日 (水曜日)

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ドナルド・トランプ米大統領が5~7日、来日した。私は、最後の公式日程である「夕食会」に同席した。

安倍晋三首相は、乾杯のあいさつで、日米首脳が「ゴルフ外交」からスタートしたことに言及した。日本の首相が外国の首脳とゴルフをするのは自分が初めてではなく、首相の祖父である岸信介首相が訪米の折、ドワイト・アイゼンハワー米大統領とゴルフをしたのが最初だと披露した。

安倍首相は「好きな相手だからこそ、一緒にプレーし、より親密な関係をつくることができる」とゴルフ外交の効用を語った。トランプ氏も、ゲストで、日本ゴルフツアー機構会長の青木功さんを引き合いに、「パットの名手だが、誰もマネはできない」とたたえた。

両首脳がゴルフを通じて信頼関係を深めることができたなら、それもよしだ。

夕食会は、入れ代わり立ち代わり、トランプ氏のもとへ来賓が近寄り、あいさつを交わし、トランプ氏も気軽に写真撮影に応じて、大いに盛り上がった。

私は、隣席のメラニア大統領夫人に、先立って来日した長女のイバンカさんが、女性活躍に関する講演を行ったことに謝意を述べた。話す相手にきちんと顔を向けて、しっかり視線を合わせて対話する夫人の姿が印象的だった。

会食や会談を重ねて、日米同盟の固い絆を世界に向けて示すことができた。朝鮮半島情勢が緊迫するなか、意義ある来日だった。

1日から始まった特別国会だが、来月9日までの会期を与野党で合意し、いよいよ17日には安倍首相の所信表明演説が行われる。衆院選後初めての国会で、首相指名を経て組閣した首相であるから、新たな政治の方針を国会に示すのは当然のことである。

特に、解散で問うた「人づくり革命」や「全世代型社会保障」に、国民の信を得たことで、年内に消費税を主な財源として教育負担の軽減を図る2兆円の政策パッケージをつくる。予算を編成するという方向を決めたのだから、与野党の議論を経るべきである。

文科省の審議会は10日、林芳正文科相に対し、学校法人「加計学園」の獣医学部を新設する計画を「可」と答申したと発表した。近く、林氏が「認可」を最終決定し、来年4月開学が決まる。

野党と一部メディアは、相変わらず「答申にそって認可されても疑惑は残る」と訴えている。政府与党は「選挙結果に決しておごることなく、謙虚な姿勢で真摯(しんし)な政権運営に心がける」と記した政権合意に照らして、丁寧な対応が必要である。

衆参の文部科学委員会や予算委員会でも、質疑の機会を設けて建設的な議論を行うとともに、政府が説明責任を尽くすことを期待したい。(公明党代表)

【2017年11月15日(14日発行)夕刊フジ掲載】

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