日本の経済成長のために早期承認を

掲載記事2016年10月19日 (水曜日)

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TPPと関連法の国会論戦突入

衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙(23日投開票)が始まっている。先の参院選は、消費税率10%の引き上げ延期について、国民の信を問う位置づけで与党が勝利した。その後、初めて行われる国政選挙であるから、引き続き安倍政権の信任を問う選挙である。

東京10区にあるJR池袋駅東口で16日、若狭勝候補=自民党公認・公明党推薦=の応援のため、私と安倍晋三首相、小池百合子都知事の3人がそろい踏みした。

周囲を埋め尽くす数え切れない聴衆を前に、小池氏はイメージカラーの緑のジャケットで決め、安倍首相の緑のネクタイ姿を引き合いに、「連携するところは連携する」と主張した。

安倍首相も「朝から青汁を飲んで腹の底から緑になっている」と応じ、「国政と都政の協力の象徴が若狭候補だ」と訴えた。

赤いネクタイの私は少し戸惑ったが、「緑の補色は赤ですね。緑を引き立てる色なんです」といい、「与党が力を合わせて勝たなければならない」と強調した。

福岡6区は、自民党系2候補の公認を決めないまま、選挙に突入した。いずれにしても、与党の議席を確保する結果を出すことが大切だ。

さて、国会論戦は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と関連法案の審議に突入した。

日本にとって、なぜ重要なのか。世界のGDP(国内総生産)の4割を占める加盟国の経済圏は、日本の国内市場の7倍の規模だ。日本から輸出するときの関税はほぼゼロになるため、国内と同様に自由に取引できる市場が7倍になるともいえる。人口減少で市場が縮む日本が、経済成長するためには、関税撤廃は大きなメリットとなる。

日本の消費者が輸入品の関税をなくして安く手に入れることもメリットだ。ただ、米や麦、牛豚肉、乳製品など国内生産物と競争になる重要な443品目は、加盟国中最多の「関税撤廃の例外」とし、撤廃率を95%にとどめた。農林水産業の競争力を育てていく必要があるからだ。

こうして、GDP14兆円の押し上げ効果が期待される。加えて、米国の参加で、アジア太平洋地域が安定する外交・安全保障上のメリットも忘れてはならない。

難航したTPP交渉だけに、蒸し返しを止めるためにも、日本の早期承認が重要だ。

米大統領選で候補者2人がいずれも消極的な発言をしている。だが、候補者が対外貿易より国内雇用を強調するのは、過去の大統領選でもよくあることだ。オバマ氏も大統領候補のとき、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを主張したが、当選後引っ込めた。

そのオバマ大統領が推進したTPPである。大統領選後の最後の議会で、米国の威信と国益が問われることになる。(公明党代表)

【2016年10月19日(18日発刊)掲載】

衆院議員は常に「常在戦場の心構え」で

掲載記事2016年10月05日 (水曜日)

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最高の東京五輪へ 与党も都も同じ思い

2020年東京五輪・パラリンピックを検証する東京都の調査チームが9月28日、このままでは開催総費用が3兆円を超える可能性があるとして、都が新規整備する3施設について、建設中止も含めて見直すべきとする報告書を提出した。

やり玉に上がった3施設とは、ボート・カヌー会場「海の森水上競技場」、水泳会場「オリンピック・アクアティクスセンター」、バレーボール会場「有明アリーナ」である。いずれも、レガシープラン・立地・規模・設計の妥当性やコストダウンの余地を再検証すべしとした。

これに対し、五輪組織委員会の森喜朗会長は見直しに難色を示し、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長は不快感を示している。

一方、「都政改革本部」を立ち上げ、豊洲新市場に続き、東京五輪でも問題提起する小池百合子都知事は存在感を際立たせ、国民的関心を引き寄せようとしている。

確かに、組織委員会はこれまで競技団体と時間をかけて調整し、IOCの承認を得たと説明している。すでに、設計段階を経て一部工事が始まっているところもある。

しかし、最終的に費用を負担し、実施する責任は東京都である。今回の報告書は、都が今後なすべきことを整理して、小池氏に判断材料を提供するという位置付けである。

政府・与党は、限られた予算と時間で最高の東京五輪を実現するとの観点から取り組んでいる。小池氏が「コストを抑制する必要がある」との姿勢で臨む点では軌を一にしている。

小池氏が、都議会の議論も踏まえて、どのように判断し、関係者を説得するか注視したい。

このところにわかに、「来年1月に衆院解散ありうべし」との観測が取り上げられている。これには、私が先月28日の講演で「常在戦場の心構えで...」と話したことが、「解散容認」と報道されたことなども関係しているかもしれない。だが、私の話はあくまで一般論にすぎない。

解散権は安倍晋三首相の専権事項であり、解散権のない者が「いつやるべき」などと解散権の行使に言及することは控えなければならない。

かつて、「重大な決意」と解散をほのめかしたとたんに、党内の反対で総辞職に追い込まれた首相もいた。首相は軽々に「解散あり」とは言えない立場である。「死んだふり解散」で、まさかの衆参ダブル選挙に打って出て、野党の虚を突いた首相もいた。解散を受けて立つ政党や議員は「解散はない」とは言えない立場なのである。

衆院議員は当選と同時に、「常在戦場の心構え」でいなければならない。(公明党代表)

【2016年10月5日(4日発行)付掲載】

関心高まった「二重国籍問題」

掲載記事2016年09月21日 (水曜日)

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蓮舫氏は説明責任を

民進党新代表に、蓮舫氏が決まった。野党第1党が、新代表の下で建設的な政策論争を挑み、政治に緊張感をもたらし、健全な民主政治が発展することを期待したい。

ただ、気になることがある。代表選を通じて、いわゆる「二重国籍」に関心が集まったことである。問題点は2つ。

日本と外国の利益が相反する場合、二重国籍者は意思決定をする立場に身を置いてはならないのが一般的なルールだ。外務公務員法は「外国の国籍を有する者は、外務公務員(外交官)となることができない」と定めている。法律こそないが、首相や外相にも当然に期待されていることだ。

また、国籍法は、22歳を過ぎて日本国籍を選んだら、それ以外の籍を離脱・放棄する努力義務を課している。

蓮舫氏は、父親が台湾人、母親が日本人で、17歳のときに日本国籍を取得したという。だが、台湾籍が残ったまま、国会議員となり、閣僚も経験し、政党の党首となった。そして、首相を選ぶ「政権選択の衆院選」に臨もうとしている。

「二重国籍」疑惑が指摘され、蓮舫氏は6日、台北駐日経済文化代表処に改めて「放棄の手続き」を申請した。そして、代表選で党員・サポーターの投票が締め切られた後の13日、「籍が残っていた」と発表した。台湾籍があるか否かを確認しないまま振る舞ってきたとすれば、政治家の資質を問われる。

もう1つの問題は、蓮舫氏が台湾籍を問われたとき、どのような言動を取ってきたかだ。

国際化が進むなか、寛容な社会が求められるということではすまされない側面がある。日本維新の会は、国会議員の二重国籍を禁止する法案を臨時国会に提出するという。まずは、蓮舫氏が説明責任を尽くすことであり、最終的には有権者の判断に委ねられる。

最近、築地市場の移転先である豊洲新市場について、主要施設の地下に「空洞」があり、土壌汚染対策のための「盛り土」がされていないことが分かり、国民注視の問題となっている。

水産物や青果などの生鮮食品を、安全に安定的に供給する市場施設の設置責任は東京都にある。大消費地に磨かれた生鮮品を扱う技術やノウハウは、世界に冠たるものだ。豊洲に引き継がれるはずだったものが、傷つけられてはならない。

これまでの説明と実態が異なっていた。不安と不信は1日も早く解消されなければならない。

まず、土壌対策を専門的立場で検証し、安全性を確保しなければならない。都に説明責任を果たさせ、情報の透明性を確立しなければならない。移転時期のズレを最小限にとどめ、体力の乏しい関係事業者の損失を抑えなければならない。

これらは、最終的には都知事の責任である。都議会も都民の立場に立って役割を果たしてもらいたい。(公明党代表)

【2016年9月21日(20日発行)夕刊フジ掲載】

中南米3カ国を公式訪問

掲載記事2016年09月14日 (水曜日)

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経済、人道、和平協力の意義〜平和外交のウィング広げる旅になった〜

去る8月30日から9月8日まで、パナマ、コロンビア、キューバの中南米3カ国を初めて公式訪問した。折からパナマは拡張した新運河が今年開通し、コロンビアは政府と反政府ゲリラが和平合意したばかり。キューバは昨年、米国との国交正常化を成し遂げるなど、まさに時宜を得たものとなった。

中南米地域の安定と日本との経済協力の進展は重要であり、日系人社会との関係からも交流を深めることは意義がある。安倍晋三首相から各国首脳に宛てた「親書」を届けるべく会談に及んだ。

パナマ経済は運河の通航料収入に相当程度依存しており、最大の支払い国は日本である。日本の船会社は外国航路の船籍を登録料の安いパナマに便宜的に置いており、積荷の行き先別でも世界第4位と、お得意さんである。

大西洋側のシェールガスを新運河の大型船通過で日本に運べるようになる。また、運河を跨ぐ中南米初のモノレールシステムを日本が供与する計画もある。現地で、旧運河2本と新運河1本を次々と通過する船を間近で見るのは圧巻であった。

パナマと日本の関係をさらに強化するために、パナマ側の友好議員連盟のリストが国会議長との会談で示され、近いうちの訪日を約した。

コロンビアは、長年にわたる反政府ゲリラとの紛争にようやく終止符が打たれた。8月25日にキューバのハバナで和平合意がなされ、10月に国民投票に付される。私が初当選間もない1993年に訪れたときは、爆弾テロや誘拐事件が絶えず、宿泊先を一晩中装甲車に護衛されたものだ。

この機運を逃さず求められているのは、負の遺産ともいうべき対人地雷の除去である。資金源となるコカインを得るため、コカ畑のまわりに地雷を仕掛け、多くの人々が犠牲になってきた。カンボジアやアフガニスタンなどで実績を重ねてきた日本製の地雷除去機の出番である。こうした人道支援が経済協力とともに必要だと実感した。サントス大統領との会談でもこれらが要望された。

キューバは遠くて近い国である。キューバ出身のプロ野球選手やラテン音楽などで親しみを覚える人も多いだろう。最近、観光客も増えている。慶長遣欧使節として伊達藩の支倉常長が立ち寄ったのは402年前。米国との国交正常化を機に日本との要人往来が続いている。

私たちが会談したのは、ディアスカネル国家評議会第1副議長やロドリゲス外相など次世代指導者である。日本企業の進出条件や経済協力の具体的案件について協議するとともに、「核廃絶を求め、コロンビア和平にも労をとったキューバこそ北朝鮮への働きかけを」と求めた。

公明党の平和外交のウィングを広げる旅となった。(公明党代表)

【2016年9月14日(13日発行)付 夕刊フジ掲載】

リオ五輪 日本選手団に感謝

掲載記事2016年08月24日 (水曜日)

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熱戦を繰り広げたリオデジャネイロ五輪が閉幕した。日本時間の22日午前8時から行われた閉会式は、カーニバルの街らしく、陽気で華やかな雰囲気に包まれた。

安倍晋三首相が人気ゲームのキャラクターに扮して登場する演出もあり、大会旗は、東京都の小池百合子知事に引き継がれた。いよいよ、2020年東京五輪を目指して新たなスタートが切られた。

競技を振り返ると、日本選手の活躍は目覚ましく、連日のメダルラッシュで大いに沸いた。メダル獲得数は、金12、銀8、銅21の計41個で、過去最多となった。

お家芸ともいえる体操、柔道、水泳が復活した。卓球やバドミントンでも新境地を開いた。女子選手の活躍も頼もしい。金メダルの半数は女子である。女子シンクロは復活の象徴といえる。

圧巻は、女子レスリングだ。伊調馨の4連覇は不滅の金字塔だし、新鋭3人の金メダルも明るい未来を感じさせる。吉田沙保里は惜しかったが、重圧に耐えての銀メダルは立派だ。世界の尊敬を集め、輝かしい後継の道を開いた存在感は、誰もが認める「心の金メダル」と言いたい。

印象に残るのは、男子体操団体の金メダルだ。予選ではミスが連発したが決勝で追い上げ、逆転勝利した粘りとチームワークは称賛に値する。内村航平の個人総合2連覇という実力の裏付けがあってのことだろう。

もう1つ、陸上男子400メートルリレーで、史上初の銀メダル、アジア新記録を獲得したことも忘れられない。100メートル9秒台が1人もいない日本チームが、米国やカナダを抑え、ウサイン・ボルト率いるジャマイカに迫ったのは快挙だ。たゆまぬ練習でアンダーハンドパスを磨き上げ、リスクを克服し、日本やアジアの人々に自信をもたらした。

日本選手の活躍は、メダルに届かなかった人も含めてドラマがある。伸び伸びとプレーし、支えてくれた人々に感謝する姿はすがすがしかった。

次回の東京五輪は「安全」「快適」「温かいおもてなし」を心がけ、五輪本来の「平和の祭典」にふさわしい大会となるよう、関係者が力を合わせることを期待したい。

尖閣周辺海域に侵入する中国公船、漁船 〜人道と国際法に従って毅然と対応を〜

最近、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海や接続水域に、中国公船や漁船の侵入が続いている。「漁船には100人以上の海上民兵が乗り込んでいる」との報道もある。11日には、中国漁船が、ギリシャ船籍の貨物船と衝突・沈没する事故があり、海上保安庁の巡視船が中国漁民6人を救助する事案も発生した。日本は、人道と国際法に従い毅然と対応すべきだ。

24日には日中韓外相会談が東京で開かれる。かつて、日中首脳は「東シナ海を平和・友好・協力の海にする」と約した。来年は日中国交正常化45周年を迎える。両国政府の大局観に立った冷静な努力が求められる。(公明党代表)

【2016年8月24日(23日発行)付 夕刊フジ掲載】

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