北は地球規模の脅威

掲載記事2017年04月12日 (水曜日)

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日米韓のさらなる緊密連携を

北朝鮮をめぐって、にわかに緊張が高まっている。同国は5日、3月に続いて、またも弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。関係国を挑発して、着実に技術の向上を図っていると思われる。

北朝鮮は昨年、2回の核実験と20発の弾道ミサイル発射を行い、今年もすでに7発の弾道ミサイル発射に及んでいる。何らかの記念日に軍事的挑発を続けてきた過去を考えれば、「6回目の核実験」や、新たな弾道ミサイル発射が、4月に相次ぐ記念日に行われるとの見方も高まっている。もはや日本を含む「地球規模の脅威」といえる。

安倍晋三首相は6日、ドナルド・トランプ大統領と日米電話首脳会談を行い、「米国の強い関与を背景に北朝鮮を抑止し、さらなる挑発行動の自制、安保理決議などの順守を強く求めていきたい」と語った。両首脳は同日から始まる米中首脳会談を見据えて、北朝鮮問題には中国の役割が重要であることを確認し、日米韓で緊密に連携していくことで一致した。

安倍首相が、米中首脳会談の前に、日米電話首脳会談を行ったことはタイムリーだ。北朝鮮の核・ミサイル開発を許さない国際連携を強めていくことが大切である。

国連安全保障理事会は7日の声明で、安保理決議の重大な違反だとして、これまでにない「最大限の懸念」を示して厳しく非難した。加えて、各国に対し、北朝鮮への制裁決議を完全に履行するよう求めた。

トランプ氏と習近平国家主席は米中首脳会談で、朝鮮半島の非核化や、国連安保理決議の履行に向けた協力強化で一致した。この一致を引き出せたのは、米国のシリア攻撃を首脳会談の最終盤に伝えたことも関係しているようだ。

レックス・ティラーソン米国務長官によれば、「トランプ大統領は、中国が行動を起こさない場合には独自の措置を講ずる用意がある旨を言及した」と伝えられている。

北朝鮮が6回目の核実験に踏み切った場合、米国が「斬首作戦」や「限定空爆」などの選択肢も用意しているともいわれる。もし、そのようなことになれば、日本や韓国での現実の被害や混乱に結びつかないともかぎらない。いずれも、回避しなければならない。

米太平洋軍のハリス司令官は8日、原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第1空母打撃群を西太平洋に展開するよう指示し、北朝鮮への圧力を強めた。

ティラーソン氏は9日、テレビのインタビューで、シリア攻撃から北朝鮮が受け取るべきメッセージについて、「国際規律に違反し、他国への脅威となるならば、ある時点で対抗措置がとられるだろう。われわれの目的は北朝鮮の非核化だ」と明確に述べた。もっとも、「北朝鮮の体制転換は目的ではない。体制転換の計画は知らない」とも言っている。

日米電話首脳会談は9日にも行われ、北朝鮮への対応について日米韓の結束の重要性を再確認した。緊密な連携が今後とも必要である。(公明党代表)

【2017年4月12日(11日発行)】付 夕刊フジ掲載

森友学園問題 疑惑だらけの籠池証言に驚愕

掲載記事2017年03月29日 (水曜日)

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2017年度予算および関連法が27日成立し、国会は法案審議に舞台を移した。

学校法人「森友学園」(大阪市)の話題が続いている。小学校認可申請が取り下げられ、敷地の返還請求がされたことで、事態が収束するかと思われたが、参院予算委員会の視察で、籠池(かごいけ)泰典理事長が突如、「安倍晋三首相の寄付金が入っている」と発言したことから、23日に証人喚問が行われた。

驚いたのは、事実でないことを公言・公表してはばからない籠池氏の態度である。

安倍首相の許可も得ずに、勝手に「安倍晋三記念小学校」という冠で寄付金を集めておきながら、額や期間に関する証言は二転三転した。それでいて、「詐欺ではない」と強弁した。園のホームページに「昭和天皇陛下、当園に御臨幸賜り」と宣伝しながら、宮内庁が否定すると、「私が書いたことではない」と開き直った。

大阪府私学審議会に、愛知県の海陽学園中学校へ推薦枠があると報告したが、海陽中学校は「事実無根」と否定した。いずれも、籠池氏の証言が信用できるのか疑わしくなることばかりである。

「安倍首相側から100万円の寄付」と証言したが、密室の話だけ。とても証明されたとはいえない。寄付金が入っていた封筒の存在を聞かれても「ない」と述べ、安倍首相に礼状やメールを出したかと問われても「ない」という。

「口外しないように」と言われていたと説明したが、礼状は他人に見せずに感謝を伝えることができる。100万円の振込用紙には、他人に分かるように「安倍晋三」と当初記載しており、首尾一貫しない。

野党や一部メディアは「安倍昭恵首相夫人を証人喚問しろ」という。しかし、籠池氏側が証拠の裏付けをもって、リアルな寄付金のやり取りを証明しているとはいえない。この状況で、否定している昭恵夫人を喚問してもあまり意味がない。

昭恵夫人付きの役人が、問い合わせにFAXで回答したのは、法令に従い「できません」と丁寧に対応しただけだ。

籠池氏は、関わった国会議員である政治家の名前も具体的な事実も語らず、証人喚問の機会を生かせなかった。それどころか、土地売買契約書の金額記載の経緯について、「刑事訴追を受けるおそれがある」として何度も証言拒否をするに及んでは、もはや国会でやれることではない。

南スーダン国連平和維持活動(PKO)から、自衛隊が5月末で撤収することになった。安倍首相の判断を了としたい。国連の掲げた「国づくり支援」が消え、「文民保護」に変わっている。これでは、施設部隊の本領は発揮できない。

これまで、自衛隊は道路や橋の補修など立派な仕事をしてきた。今後、他の常任理事国のように司令部要員は残し、引き続き南スーダンPKOに参加する。広い視野で、南スーダンの自立に協力すべきである。(公明党代表)

【2017年3月29日(28日発刊)付夕刊フジ掲載】

北ミサイル 日本の安全保障に重大な脅威

掲載記事2017年03月15日 (水曜日)

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日本の安全保障に重大な脅威

北朝鮮が6日、日本海に向けてミサイル4発を発射した。菅義偉官房長官は9日、固形燃料を使った移動式の準中距離弾道ミサイル「スカッドER」であり、3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に届き、うち1発はこれまで最も近い日本領土から約200キロの海上に落下したとの見方を示した。

相当な技術の向上とともに、北朝鮮は「有事に在日米軍の基地を攻撃目標とする想定で行われた」との談話を発表しており、日本領域を狙う意図まで示唆した。

落下海域は、日本漁船の操業場所でもあり、脅威は現実のものとなりつつある。政府は、北朝鮮の脅威は「新たな段階」との認識を示している。いたずらに緊張感をあおってはならないが、もう人ごとではない。

この度のミサイル発射は、国連安保理決議や日朝平壌宣言、六者協議共同声明に違反するものであり、日本の安全保障にとって重大な脅威である。日本政府はもとより、国会としても断固抗議の意志を明確にするため衆参両院で9日までに決議を行った。

1月のミサイル発射や、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件を受けて、米ワシントンで2月27日、日米韓3カ国の北朝鮮に関する六者協議代表の共同声明が出されたばかりだ。その矢先の北朝鮮の挑発的な行動には、強力な国際的圧力が必要である。特に、米国は「あらゆる選択肢を検討する」姿勢を示している。北朝鮮のリスクの分析と、戦略目標の共有について、日米の十分な協議が欠かせない。

また、中国の役割を注視する必要がある。先に、中国が国連安保理決議の制裁を履行するため、北朝鮮との石炭禁輸に踏み切った。日米韓とも連携して、北朝鮮の安保理決議順守へ向かわせるよう、今後とも中国に働きかけていくことが重要である。

森友問題、印象操作が過ぎる展開は整理が必要

3月に入っても、参院予算委員会では、学校法人「森友学園」(大阪市)の国有地取得問題の議論が続き、新聞やテレビを連日にぎわしている。だが、ここへきて変化が生じた。

これまで、野党は国有地の売却額が不適切であると攻めていたが、政府側は「通常行っている評価方法に従い、きちんと手続きを踏んでいる」と説明してきた。野党は、国有地売却に政治家が絡んでいると言いたげだが、具体的事実は指摘できないでいる。主張に決め手を欠いているのだ。

こうしたなか、森友学園が小学校建設にあたり、国への補助金申請や大阪府への小学校認可申請に、異なる工事代金を記載していたことが判明した。認可の見通しが立たなくなったため、森友学園は申請を取り下げてしまった。

契約の条件であった認可がなくなったことから、国は土地所有権の返還、建てかけの校舎を撤去する原状回復、違約金の支払いを求めることになった。森友学園側の事情に振り回されて、印象操作が過ぎる展開は整理が必要である。(公明党代表)

【2017年3月15日(14日発行)付 夕刊フジ掲載】

北の暴挙に圧力、拉致解決の道探る好機

掲載記事2017年03月01日 (水曜日)

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏が13日、マレーシアのクアラルンプール空港で殺害された。

マレーシア警察などによると、実行犯であるインドネシア人とベトナム人の女2人が、猛毒の神経剤VXを正男氏の顔に塗り、15~20分後、搬送中の救急車内で死亡したという。

他に、マレーシア警察は、北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者を逮捕し、リ・ジウ容疑者を手配した。在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官と高麗航空職員を重要参考人として、大使館側に協力を求めている。

また、犯行に関与した北朝鮮国籍の4容疑者はすでに帰国しており、マレーシアは北朝鮮に対して身柄の引き渡しを要求している。4容疑者のアジトであるマンションを捜索し、押収した物品の化学検査を始めている。

VXは、マレーシアなど192カ国が締約する化学兵器禁止条約で製造・保有が禁止され入手困難であるが、北朝鮮はこの条約に入っていない。

正男氏は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、脱北者団体が亡命政権樹立を要請していた背景もある。

こうした、北朝鮮国籍8人の組織的な関与と、在マレーシア北朝鮮大使の強硬な検視反対などを考慮すると、国家ぐるみの犯罪の疑いが濃い。

1月の弾道ミサイル発射と合わせると、北朝鮮の国際的孤立は深まるばかりだ。

こうした北朝鮮の暴挙に対し、米国では「テロ支援国家」再指定の動きが出ている。27日には、中国の楊潔篪国務委員が訪米し、北朝鮮問題を含む米中両国の関心事項について意見交換をする。

同じタイミングで、北朝鮮問題に関する日米韓の首席代表会合も開催される。日本からは、谷内正太郎国家安全保障局長も訪米し、トランプ政権で新たに任命された国家安全保障問題担当のH・R・マクマスター大統領補佐官と会談する。

この際、北朝鮮に対する圧力を強め、外交的解決を図る連携が欠かせない。合わせて、日本人拉致問題解決の道を探る好機でもある。来月、結成20周年を迎える拉致被害者家族会の思いに応える努力を期待したい。

豊洲問題 石原氏3・20証人喚問に注目

このところ、東京都政から目が離せない。都議会は22日、豊洲市場移転決定の経緯について調査するため、百条委員会の設置を決めた。正当な理由がなければ出席や証言を拒否できないし、偽証は処罰される。

小池百合子知事は「議会が証人から聞き出すところを見守りたい」と述べた。百条委員会の理事会は27日、石原慎太郎元知事の証人喚問を3月20日に実施することで合意した。石原氏は3月3日に記者会見するとし、証人喚問にも応じる構えだ。

今年夏の都議選をにらんで、調査の行方が注目される。(公明党代表)

【2017年3月1日(28日発行)付 夕刊フジ掲載】

日米首脳会談を機に国会論戦いよいよ佳境

掲載記事2017年02月15日 (水曜日)

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安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、ドナルド・トランプ大統領との初めて日米首脳会談に臨んだ。私は8日、出発前の安倍首相と懇談し、「日米同盟や経済関係の基本的方向性を確認し、首脳間の信頼関係を深める訪米に」と期待を託した。会談は大成功であり、今後の関係発展の新たな出発点となる共同声明に結実した。

日米同盟を強化する決意がトランプ氏自身から示された。先に訪日したジェームズ・マティス国防長官とのやりとりをベースに、今回同行した岸田文雄外相と、レックス・ティラーソン国務長官が首脳会談に先立って日米同盟の重要性を確認した。そのうえで、首脳間での認識が一致し、両国間で同盟が揺るぎないものになった。トランプ氏は会見で、在日米軍駐留に謝意まで示した。

共同声明に「日米安全保障条約第5条の、沖縄県・尖閣諸島への適用」「普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策」「拡大抑止へのコミットメントの具体的言及」など、直面する課題を文書確認したことは成果である。

経済関係では、麻生太郎副総理兼財務相と、マイク・ペンス副大統領の下で、分野横断的な経済対話の枠組みを立ち上げた。

安倍首相は会見で「為替については専門家である両国の財務大臣間で議論していくことになった」と述べた。具体的な政策課題は、担当者に任せる路線を敷き、首脳のやりとりを回避した。

貿易についても、「自由で公正なルール」をキーワードに、日米両国とアジア太平洋地域を並列させ「高い基準の設定」を強調し、保護貿易主義への傾きを抑えた。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉の成果を維持する共同声明に仕上げた。

また、インフラ投資や雇用創出を意識して、日米相互の経済的利益を促進する協力への関心に言及することも忘れなかった。

トランプ氏の公式訪日を約束し、ペンス氏の早期の東京訪問を促したことも、次への大事な一手となった。

安倍首相は、ゴルフの有用性を心得ている。

祖父の岸信介元首相と、ドワイト・アイゼンハワー元大統領のゴルフ対話を念頭に、トランプ氏にゴルフクラブを贈った。電話でトランプ氏に「暖かいところでやろう」と言われたとき、安倍首相は「暖かい季節になったら誘われるかな」と思ったらしい。実は「暖かい場所」、つまりフロリダ州パームビーチで早速やろうとの意味だったのである。人が知り合うためには、ゴルフも役に立つ。

この会談の直前に、トランプ氏は、中国の習近平国家主席と電話会談を行い、「1つの中国」の主張を尊重し、配慮を示した。北朝鮮は、トランプ氏の大統領就任後初の弾道ミサイルを発射し、新たな挑発行為に出た。今後、韓国はもちろん、中国やロシアとの連携を含め国連安保理決議の履行が焦点となる。

日米首脳会談を機に、国会論戦はいよいよ佳境に入る。閣僚の答弁がピリッとしない。法相や防衛相には、確信と真摯(しんし)さをもって頑張ってもらいたい。(公明党代表)

【2017年2月15日(14日発行)付 夕刊フジ掲載】

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