非核化明言するまで制裁緩めず

実績レポート2018年04月04日 (水曜日)

4327_001.jpg

北「核・ミサイル」だけでなく拉致問題も包括的に

緊迫した国会審議をようやく乗り越え、新年度がスタートした。

今、外交が正念場を迎えている。北朝鮮問題をめぐって、にわかに動きが活発になってきた。中国は3月の全国人民代表大会を経て、習近平新体制が固まり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、圧倒的な得票で再選され、主要な政治リーダーの足場が整った。

中国の習国家主席は先月26日、北京を電撃訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と首脳会談を行った。伝統的な友好関係を確認するとともに、「朝鮮半島の非核化」に向けた意思も示されたといわれる。

韓国は平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に北朝鮮と接触し、「南北首脳会談」への道筋を引き出した。これを米国に報告すると、ドナルド・トランプ大統領は「米朝首脳会談」を5月に行うことを決断した。

北朝鮮は、米韓合同軍事演習を容認し、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長を平壌(ピョンヤン)に招き、東京や北京の五輪参加を示唆した。韓国芸術団の公演させるなど、「融和姿勢」を盛んにアピールしている。

こうした動きは、国際社会が結束して圧力をかけてきた成果である。

だが、北朝鮮は「核・ミサイル開発」の放棄を具体的には何も実行していない。これを踏まえて対応する必要がある。

国連は先月末、北朝鮮の制裁破りである「瀬取り」などを日本が報告したことを受け、新たな追加制裁を決定した。具体的な非核化への行動が確認できるまで、制裁を緩めてはならない。

トランプ氏に「日本の立場」理解促しさらなる結束を

安倍晋三首相は2日の政府与党連絡会議で、4月17~20日に訪米し、トランプ氏と日米首脳会談を行うことを発表した。日本の目標は、過去の失敗の轍を踏まず、完全で検証可能な不可逆的な非核化を実現することである。「核・ミサイル」とともに、拉致問題も包括的に解決しなければならない。

安倍首相には、トランプ氏に日本の立場を理解してもらい、強固な結束を図ってもらいたい。

5月上旬には、日中韓サミットが日本で開催される。4月27日に行われる南北首脳会談の内容も、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に確認できる機会になる。5月下旬のロシア訪問では、プーチン氏と日露首脳会談も予定される。

日米、日米韓が緊密に連携し、中露や国際社会と協力して、冷静に歩を進めるべきである。

ところで、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題は、野党があれほど熱望した証人喚問だったが、「誰が、なぜ」との核心には迫れずに終わった。実態解明は検察に委ねられることになる。

世論の厳しいお叱りを真摯(しんし)に受け止めなければならない。安倍首相は政府与党連絡会議で、不信を招いたことに政府の長としての責任を自覚し、国民にわびた。改竄防止策を確立し、信頼を取り戻したい。(公明党代表)

2018年4月4日(3日発行)夕刊フジ掲載

麻生氏は「改竄」真相を解明、説明責任を尽くせ

掲載記事2018年03月20日 (火曜日)

4202_001 2.jpg

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書の書き換えが明らかになった。一旦、決裁を経た文書を後から書き換えて、元の文書が失われれば、国民や国会は、売却などの経緯が分からなくなり、正しい判断ができなくなってしまう。

これまで、「官庁の中の官庁」といわれてきた財務省の信頼は地に落ちた。民主主義の根幹を揺るがすものであり、歴史をゆがめる暴挙との非難を免れない。国会がこの1年、書き換え後の文書とその説明をもとに、多大な時間をこの議論に費やしてきたことになる。国会も随分なめられたものだ。

私は先週、「『財務省は何をやっているんだ。国会はもっとしっかりしろ!』というのが国民の思いだ」と何度か叫んだ。

週末のマスコミ各社の世論調査は、厳しい反応を示した。内閣支持率は、一気に10ポイント前後下落した。

週明けの19日、参院予算委員会で、この問題に関する集中審議が行われ、厳しい追及が与野党から相次いだ。

安倍晋三首相は「行政府の長として、責任を痛感する。最終的な責任は私にあり、改めておわびする」と述べた。だが、書き換えについては「理財局内の決裁文書など、(自分は)存在すら知らない。指示のしようがない」と指示を否定している。

野党は、佐川宣寿(のぶひさ)前財務省理財局長らの証人喚問を要求した。書き換えがなぜ、誰の指示でなされたか明らかになっていない。

これまでの答弁では、「佐川氏の国会答弁に合わせるために書き換えがなされた」とか、「書き換えたことを佐川氏も知っていたのではないか」と示唆するものはあるが、それ以上のことは分からない。

佐川氏を国会に呼ぶには、今は民間人であるから、国会のルールに従って、呼ぶ必要性を明らかにして、参考人か証人喚問かを与野党で決める必要がある。一方で、背任、証拠隠滅などで大阪地検に告発を受け、捜査の最中であることも考慮しながら、国会としての判断をすることになる。

野党はさらに、麻生太郎副総理兼財務相の責任も問う。佐川氏は、国会審議を混乱させた責任などで減給処分を受けたうえで、辞職した。書き換えに関わったとされる近畿財務局の職員に自殺者も出た。確かに、「役人だけの責任ではなく、大臣としての監督責任がある」との声もあろう。

麻生氏が今やらなければならないことは、財務省の信頼を回復するために、「改竄(かいざん)」を疑われる事態の真相を解明し、説明責任を尽くすことだ。そのうえで、二度とこのようなことを起こさせない態勢の立て直しを図らなければならない。

与党は、国民生活に支障が出ないように、日切れ法案などを年度内に成立させる責任も果たさなければならない。(公明党代表)

2018年3月21日(20日発行)夕刊フジ掲載

被災地に勇気 人間性への栄誉賞

掲載記事2018年03月13日 (火曜日)

4112_001 2.jpg

羽生選手に国民栄誉賞検討

安倍晋三首相は2日、韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪のフィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生結弦選手への国民栄誉賞授与を検討するよう指示した。

何しろ、この種目でソチ五輪に続く「2連覇」は、66年ぶりの快挙である。しかも、右足首のけがを抱えての偉業は、社会に明るい夢や希望をもたらした。3月11日で7年となる東日本大震災からの復興に力強いメッセージを届けた。

これから有識者会議で意見を聞いて、正式に決定する。フィギュアスケートでは初めて、冬季五輪選手でも初の受賞となる。23歳の羽生選手は、個人の受賞としては最年少になるそうだ。

私が注目するのは、羽生選手の成長ぶりである。子供のころからぜんそくに苦しみ、体を鍛える目的で運動を始めたそうだ。仙台市のリンクでの練習中に東日本大震災に遭い、小学校の体育館で避難生活を余儀なくされた。一時は「フィギュアはもう止めようか」と諦めかけたこともあったという。

しかし、気を取り直して、「自分が続けることが復興への力となる」との信念を持つようになった。このタフな精神力が、彼を一段と勝負強くさせた気がする。

ソチ五輪後も、GPファイナルで連覇を果たし、世界選手権で優勝し、ショートプログラム、フリーとも世界歴代最高記録を樹立した。この間に鍛え上げた技術と勝負勘は、五輪直前の「手負い」ならぬ「足負い」を乗り越えるのに十分だったのだろう。

決しておごらない謙虚な言葉遣い、被災者を思いやる復興への情熱、その人間性への栄誉賞でもある。国民の皆さんとともにお祝いしたい。

裁量労働制 厚労省は今度こそ「転ばぬ先の杖を」

国会は、舞台を参院に移し、連日の予算案審議が続く。「働き方改革国会」と銘打ったばかりに、裁量労働制をめぐる厚労省のデータ不備がやり玉に挙げられている。

衆院の審議で、本来、比較してはならないデータをもとに、裁量労働制を拡大する理由とするかのような説明が誤解を生み、安倍首相はこれらの答弁を撤回した。

その後も出るわ出るわ、不適切とされるデータは約500件にも上る。なぜ、小出しに不適切データが出てくるのか不思議でならない。厚労省は信頼を失墜したと言っても過言ではない。

安倍首相は、2018年度予算案の衆院通過に合わせて、「働き方改革法案」から裁量労働制に関する部分を削除するよう、与党の幹事長らと確認し、加藤勝信厚労相に指示を出した。さらに、裁量労働制の実態について厚労省がしっかり把握し、そのうえで議論をやり直したいとした。

妥当な決断である。「腐ったみかん」を放置すれば、みかん箱全部に広がる。国民の不信が法案の他の部分に広がっては「長時間労働の是正」や、「同一労働同一賃金の実現」など働く方々に必要な部分まで日の目を見なくなってしまう。

厚労省は、今度こそ丈夫な「転ばぬ先の杖」を用意してもらいたい。(公明党代表)

2018年3月7日(8日発行)夕刊フジ掲載

首相の「出席」判断、正しかった

掲載記事2018年02月21日 (水曜日)


3915_001 2.jpg

ピョンチャン五輪での日本選手の活躍が目覚ましい。2桁のメダル獲得は過去最高の快挙だ。

なかでも、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手の金メダルは、66年ぶりの2連覇達成という偉業である。わずか3ヶ月前に、練習中に足を痛めた時は「もう五輪は無理かもしれない」と不安にかられた人も多かったに違いない。

しかし、東日本大震災に仙台市で被災しながらも乗り越え、喘息の持病とも闘って克服し、前回のソチ五輪でたどり着いた勝利。その達成の道のりで培った芯の強さと勝負勘はこの4年間でさらに磨きがかかっていたのだ。心から「おめでとう」の祝意を贈りたい。

ここで触れておきたいのが、宇野昌磨選手の価値ある銀メダルだ。ショートプログラム3位からの逆転は執念の勝利だ。世界選手権から2位に甘んじてきた悔しさもにじむが、まだ10代の若手には、次への飛躍のバネとなるに違いない。

そして忘れられないもう一人。女子スピードスケート500メートルでトップに輝いた小平奈緒選手だ。日本女子スピードスケート初の金メダル。1000メートルの銀に続く女子個人での複数メダル獲得も高木美帆選手とともに今五輪2人目となる。

過去2回の五輪出場で、着実に順位を上げながらも届かなかったメダル。そして迎えた30歳越えての五輪だが、これまでとは違う。オランダ留学を機に、スタートダッシュのスピードを上げ、持ち前の終盤の伸びを合わせて、昨季から無敵の勢いで乗り込んだ。寒さに耐えた花は大輪だった。

長く厳しかった努力が報われている。国民に勇気と自信を与えてくれる日本選手の活躍は、さらに続くだろう。

このような成果は、開会式に安倍晋三首相自ら出席して、選手を激励したことも手伝っている。ペンス米副大統領やシュタインマイヤー独大統領ら各国要人とともに、開会式に参加して花を添えたのは大変よかった。

これを機に、日韓首脳会談を行い、北朝鮮から参加した金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長との立ち話もできた。

五輪を伝える映像に安倍首相の姿なく、対話の機会も失った状況を想像すれば、「出席」が意味あるものであったことは明らかである。各種世論調査でも国民は出席を歓迎している。

国内には一部に、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、慰安婦問題の日韓合意を事実上破棄するかのような言動を続けていることを受けて、開会式出席に批判的な意見があった。

しかし、日韓首脳会談で安倍首相は「日韓合意は国と国との約束であり、政権が代わっても約束を守ることは、国際的かつ普遍的に認められた原則だ」と述べ、文大統領は「日韓合意は破棄せず、再交渉も求めず、財団も解散せず、10億円の返金もしない」と述べた。

安倍首相はさらに、「韓国側も、日韓合意で『最終的かつ不可逆的』な解決を確認した以上、合意の約束を全て実行してほしい」と主張した。

こうしたやりとりができたのも、安倍首相が、首脳会談で明確に我が国の立場を伝えるべきと考えたからであり、この判断は正しかったと思う。(公明党代表)

【2018年2月21日(20日発行)夕刊フジ掲載】

トランプ政権の対北姿勢は明確

掲載記事2018年02月07日 (水曜日)

3772_001.jpg

平昌五輪を「平和と安定」を築き上げる好機に

いよいよ、韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式が9日、行われる。長野以来20年ぶり、今世紀初のアジアでの冬季五輪となる。

折から、朝鮮半島情勢の緊迫が続くなか、韓国において、北朝鮮選手も参加して「平和の祭典」が行われることは、歴史的に意義あるものとなる。

平昌を皮切りに、東アジアで2年ごとに、東京の夏季、北京の冬季と五輪が続く。相互に協力し合って成功に導くことが重要であり、地域の「平和と安定」を築き上げる好機としたいものである。

日本選手団132人が4日、現地入りして準備を始めた。好調で臨む女子スピードスケートの小平奈緒選手や、ノルディック複合の渡部暁斗選手をはじめ、スキージャンプ、フィギュアスケート、スノーボードなど、多種目で有望選手がひしめいている。活躍が大いに楽しみである。

安倍晋三首相も開会式に参加する予定だ。昨年11月、私が安倍首相の親書を文在寅(ムン・ジェイン)大統領に渡した際、安倍首相の参加を希望する伝言を託された。さまざまな声はあったが、参加を決断したことはよかったと思うし、この機会を生かしてもらいたい。

五輪を機に、対話の糸口が見えた北朝鮮について、ドナルド・トランプ米大統領は1月30日(現地時間)、初の一般教書演説を行い、異例ともいえる長い時間をこの問題に費やした。

北朝鮮に1年間拘束された後、脳に重い障害を負って帰国し、直後に死亡した米国人学生や、拷問を受けて脱北した北朝鮮男性の体験などを指摘して、人道上の問題を強調し、体制を厳しく非難した。

また、「北朝鮮の核ミサイルは近いうちに、米本土に脅威を与える可能性があり、これを食い止めるために最大限の圧力をかけ続ける」と述べて、重点的に取り組む姿勢を示した。

この演説直前に、トランプ政権は北朝鮮への軍事力行使に抵抗した駐韓米大使候補のビクター・チャ氏(ジョージタウン大学教授)の就任を「白紙」にしたとも報道された。トランプ政権の北朝鮮に対する態度は明確に思える。

このトランプ大統領の「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成が、米本土の脅威となる」との認識に立てば、日本列島を越えて太平洋に弾道ミサイルが何度も落ちた経験を持つ日本は、すでに脅威のただ中にいることになる。

現に、北海道からとらえた、ミサイルが日本海に落下していくニュース映像を見た外国の国連大使の中には、涙を流して日本に同情の念を示した人もいるそうだ。

安倍首相は3日、トランプ大統領と電話会談を行い、「北朝鮮に最大限の圧力をかけ続ける」とした大統領演説を評価し、マイク・ペンス副大統領とともに五輪参加の際、日韓首脳会談を行うことを伝えるとともに、「日米韓の連携」による圧力を高め、北朝鮮から話し合いを求めてくるようにすることで方針を一致させた。

五輪後、対話継続で解決に向かうと楽観視はできない。「未曾有の危機」を乗り越えるべく、予断を許さない展開が待ち受ける。(公明党代表)

【2018年2月7日(6日発行)夕刊フジ掲載】

← 次の5件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 前の5件 →

↑ページ上部へ戻る