安倍首相と日米貿易交渉の"覚悟"を確認

掲載記事2018年10月03日 (水曜日)

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玉城氏当選 問われる「普天間」の現実的解決策

沖縄県知事選の開票(9月30日)の結果、急逝した翁長雄志知事の後継を名乗る玉城(たまき)デニー氏が、自公の推した佐喜真淳(さきま・あつし)氏に約8万票の差をつけて、当選した。

「弔い合戦」の様相を帯びたことや、タレントや国会議員経験のある玉城氏の知名度が、前宜野湾市長の佐喜真氏に勝っていたことなども影響したものと思われる。

玉城氏の掲げた政策は、大きく2点で課題を抱える。

1つは、明確に米軍普天間飛行場の「辺野古移設反対」を訴えたことだ。翁長氏と同様、国の政策と対立する。沖縄県は、知事選直前に、辺野古海岸の埋め立て承認を「撤回」した。これに対し、国は「法的措置をとる」構えを見せてきた。

世界一危険な米軍飛行場とされた「普天間基地」の返還が22年前に日米で合意されながら、いまだに基地周辺の住民の危険を取り除くことができていない。

玉城氏は、かつて民主党の鳩山由紀夫政権のもとで、与党議員として、「辺野古以外」を求めたが、実現できなかった。これから、「普天間基地」の危険をどう取り除くのか、現実的な解決策を問われることになる。

在日米軍の安定的な運用の見通しが損なわれると、日本の安全保障だけでなく、アジアの平和と安定にも、大きな影響を与えかねない。

もう1つは、玉城氏が掲げた沖縄県の振興や県民所得の向上を実現するには、国との連携が欠かせないということだ。玉城氏がどこまで、連携力や柔軟性を発揮できるかが課題となる。

安倍晋三政権は、この県知事選で示された民意を冷静に受け止めながら、丁寧に対話を重ね、県民の理解を広げてもらいたい。

安倍首相と日米貿易交渉の"覚悟"を確認

安倍首相は沖縄知事選に先立つ9月26日、ニューヨークでドナルド・トランプ米大統領と首脳会談を行い、新たな通商協定「日米物品貿易協定」(TAG)締結に向けた交渉を行うことで合意した。

安倍首相は、自由で公正な貿易ルールに基づいて国益を守り、トランプ氏は、2国間の貿易で日本との貿易赤字を減らすことに関心がある。

交渉の前提として、日本は農林水産品について、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、過去の経済連携協定で約束したものを超える譲歩はしないこと、米国は交渉結果が米国の自動車産業の製造と雇用の増加を目指すものであることを、お互いに確約した。

また、交渉中は、米国が自動車などの関税引き上げ措置を発動しないことも確認した。

一方で、日本は、米国がTPPに復帰する道も開いておかなければならないし、電子商取引や知的財産などについての不公正な貿易慣行に対処していく日米欧の国際協力も進める必要がある。

1日の自公党首会談では、これらを踏まえて、厳しいやり取りを乗り切らなければならないことを確認し合った。(公明党代表)

【2018年10月3日(2日発行)夕刊フジ掲載】

沖縄県知事選で佐喜真氏推薦

掲載記事2018年09月19日 (水曜日)

訪中で、日中関係の回復を実感

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沖縄県知事選が13日告示された。序盤戦を終え、いよいよ30日の投票日を目指して、舌戦は熱を帯びる。

今回の知事選は、沖縄の発展はもとより、日本やアジアの平和と安定にも大きな影響を与える。公明党は、自民党や日本維新の会、希望の党とともに、前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま・あつし)氏を推薦した。

推薦に際し、政策協定を結び、県政の優先課題は、豊かで、安心、安全な暮らしを実現することであり、「対決より対話が重要であること」を確認した。

これをもとに、私は10日、宜野湾市で行われた佐喜真陣営の集会で、全面支援の方針を述べた。他党と力を合わせて勝利したい。

さて、私は5日から訪中し、9日に帰国した。日中関係が正常な回復軌道に戻ったことを実感する旅だった。

今年は、日中平和友好条約を結んで40年の節目である。5月の李克強首相の訪日を幕開けとするなら、年内の日本の首相の訪中が第2幕、来年の習近平国家主席の訪日を第3幕とする首脳の往来を実現することが重要である。

安倍晋三首相から預かった親書を全国政治協商会議主席の汪洋常務委員に託し、首脳の往来実現に強い意欲を持っていること、ウラジオストクで習主席に会えるのを楽しみにしていることをメッセージとして添えた。

汪氏は「私自身から速やかに習主席に報告する」と応じた。帰国直前に会った唐家璇中日友好協会会長は、①ウラジオストクで習主席は安倍首相に会う②10月下旬、安倍首相を迎える準備をしている③来年の習主席訪日の準備を始めた|などの3点を私たちに伝えた。

唐氏の発言は、親書の内容に対応するものであり、中国側の「回答」である。帰国後速やかに、私から安倍首相に報告した。先日、ウラジオストクで日中首脳会談が実現し、「回答」が裏付けられた。

汪氏との会談で、私は中国の歴代指導者が覇権を求めないとの主張を一貫していることを引用し、「言行一致の姿勢を示すことが重要だ」と述べた。これに対し、汪氏は「山口代表が強調したとおり、中国側の一貫した態度は、いかに発展しようとも覇権を唱えないということである。歴史からくみ取った深い教訓である」と応じた。

さらに、汪氏は「日中関係の長期にわたる健全な発展を築き、地域や世界に貢献することを望む」と語った。この流れに水を差すような動きは双方とも控えることが大切だ。

要人との多岐にわたる意見交換のほかに、私たちは国交正常化や平和友好条約の意義と大局観に立って、それを進めた先人の苦労を後の世代に伝えるために、習主席の母校である清華大学と、周恩来首相の母校である天津の南開大学で学生たちと懇談した。南開大学では、映像を交えた講演を行い、学生たちの関心を引きつけた。

政界のハイレベルの往来が、各界各層の交流の厚みを生み出し、両国と地域の平和と繁栄に結びついていくことを望む。(公明党代表)

2018年9月19日(18日発行)夕刊フジ掲載

さくらももこさん永遠に人々の心に

掲載記事2018年09月05日 (水曜日)

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この夏、著名人の逝去が続いた。7月には、落語家の桂歌丸さん、劇団四季の浅利慶太さんが、8月には、俳優の津川雅彦さん、沖縄県知事の翁長雄志さん、漫画家のさくらももこさんなどが他界された。それぞれ、時代に確かな足跡を残された方々であり、心からご冥福を祈りたい。

さくらさんは、15日に乳がんで亡くなったが、公表は27日になってからであり、いろいろ配慮があったのだろう。53歳という若さが惜しまれる。

本人にお会いしたことはないが、代表作のアニメ「ちびまる子ちゃん」とは、1990年デビュー以来のファンだ。

描かれる「まる子」の仕草、服装、家族像、時代背景、地方都市の暮らしぶりなど、どれも「しっくり」と共感できた。時折入る「コメント」がまた視聴者を「その通り」と納得させる。作者は、どこでどのように育ったんだろうと好奇心も湧いた。おそらく、そんな親しみを感じた人も多かっただろう。

デビューしてまもなく、視聴率は39.9%を記録し、さくらさんが作詞したエンディングテーマ曲「おどるポンポコリン」は1990年の日本レコード大賞ポップス・ロック部門に輝いた。次の年、春の「選抜高校野球大会入場行進曲」にも選ばれ、高校野球応援曲の定番になっている。

こうして、ロングヒットとなった「ちびまる子ちゃん」は海外でも人気が高い。中国のメディアでも、この度のさくらさんの逝去を惜しみ、「アニメから道理を教わった。さくらももこさんありがとう。まる子ちゃんのように天真爛漫に生きていきたい」などと報じられている。

さくらさんが亡くなっても、アニメの放送は続けられるという。まる子とともに永遠に人々の心に息づいていてもらいたい。

5日から訪中「平和、友好、協力」の正常な軌道を

この度、中国中央対外連絡部の招待で、5日から9日まで訪中することになった。

本年は、日中平和友好条約締結40周年の節目であり、このところ、両国ハイレベルの往来が続いている。是非とも、首脳の往来を実現して関係改善の流れを定着させたい。与党として、安倍晋三首相の親書を届け、首脳の相互訪問を促すことは意味がある。

昨年暮の訪中時、会談した汪洋副首相兼全人代中央委員会常務委員は、公明党の創立者である「池田大作創価学会名誉会長が日中国交正常化を提言されてから(2018年が)50年になりますね」と指摘し、冷戦最中の困難な時期に提言を行った先人の苦労に謝意を表した。

こうした意義を踏まえて、今日的な北朝鮮の非核化の問題や第三国でのインフラ整備での協力などについても要人と意見交換したい。

また、周恩来元首相生誕120周年を記念して、日中関係での偉業を顕彰すべく、母校「南開大学」で講演を行う。

日中の関係が目先の対処ではなく、「平和、友好、協力」の正常な軌道を保ち、国際社会の安定と繁栄に貢献する道を歩むことが大切である。(公明党代表)

2018年9月5日(4日発行)夕刊フジ掲載

沖縄の基地負担軽減へ決意新たに

掲載記事2018年08月22日 (水曜日)

天皇陛下の「平和への想い」

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今年の8月15日は、平成最後の「終戦の日」となり、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で行われた。

来年の4月30日から5月1日にかけて、天皇陛下が退位され、皇太子が即位される。それにともない、平成が終わり、新しい元号が定められる。

天皇皇后両陛下が追悼式に出席されるのは、ことしが最後となり、参列した遺族の代表らは天皇陛下のお言葉にじっと耳を傾けていた。

とくに、お言葉の結びで、私は陛下の平和への想いを深く感じた。「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」と戦後を振り返り、「深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願」って戦没者を追悼し、「世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べられたところである。

天皇陛下は、即位10年の記者会見で、3歳の昭和12年に盧溝橋事件が起きた時から、11歳の昭和20年に終戦を迎えるまで、「戦争の無い時を知らないで育ちました」と述べた。だからこそ、長きにわたる平和な歳月を噛み締めているように思われる。

戦後50年の平成7年前後から、硫黄島、長崎、広島、沖縄、サイパン、ペリリュー、フィリピンなど、いたましい犠牲者が出た所を慰霊に訪れた。これらの行動からも、深い反省と共に平和を望まれる強い決意を感じるのである。

戦争の経験がない私たちの世代も、平和への想いを引き継いで、戦争の惨禍を繰り返さない誓いを新たにしたい。

翁長雄志沖縄県知事が亡くなられたため、県知事選が9月13日告示、30日投開票の日程で行われることとなった。

翁長氏は、那覇市長当時、たびたびお会いした。公明党の賀詞交換会などで挨拶をするとき、まず沖縄コトバではじまり、解説を加えるのが常だった。沖縄への深い思い入れが感じられた。

知事になってからも、沖縄の振興計画にもとづく予算要望に毎年上京し、進み具合を報告し、次の目標を熱く語った。道半ばで逝くことはさぞ無念であったろう。心からご冥福を祈りたい。

沖縄が平和で、さらに豊かになることを沖縄の人々とともに進めていくことが大切である。離島振興も含め地域間のバランスのとれた発展が望まれる。観光産業が経済を引っ張るが、自立的な発展を担う厚みのある基盤をつくる必要がある。

基地負担を着実に軽くしていかなければならない。西普天間住宅地や北部訓練場が返還された。世界一危険な空港といわれた米軍普天間基地の運用停止で基地周辺の県民の安全を確保することが重要だ。

不平等な日米地位協定も妥当な改定を求めていくことになる。

こうして、沖縄に寄り添いながら、対話と協調で新しい時代を切り開いていきたい。(公明党代表)

2018年8月22日(21日発行)夕刊フジ掲載

日本ボクシング連盟疑惑

掲載記事2018年08月08日 (水曜日)

反社会勢力との関係は論外 事態を収拾し、透明で健全な組織に

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日本ボクシング連盟の山根明会長をめぐって、「助成金不正使用」や「不正判定」など、さまざまな疑惑が浮上している。

都道府県連盟幹部や元選手ら333人が「日本ボクシングを再興する会」として、12項目にわたる疑惑などを指摘した告発状を、JOC(日本オリンピック委員会)やスポーツ庁に提出する事態になっている。

一部報道で、山根会長と暴力団との交際が指摘された。山根会長もマスコミ取材に事実上認めるような発言もしていた。これは尋常ではない。

問題の「助成金」は、2016年のリオデジャネイロ五輪に出場した選手を強化するために、スポーツ庁がJSC(日本スポーツ振興センター)を経由して特定選手に交付したものである。これを山根会長が指示して、別の2選手と3等分させたというのである。

山根会長の指示は、強化すべき選手に公金を渡している意味が全く理解されていない。助成金の目的外使用であり、あきれてしまう。これを指摘された山根会長は、さすがに非を認めざるを得なかったようだ。

「不正判定」については、山根会長は否定している。

しかし、テレビでは、高校生の公式戦で2回ダウンを奪った選手が勝利を確信して小躍りしている様子が映し出されながら、結果は判定負けでガックリうなだれるシーンが繰り返し流されている。勝ったのは、山根会長がひいきする地域の選手だというのだ。

経験の長い現役審判員が、NHKのインタビューに答えて、「山根会長の威圧感を感じて、会長のひいきの選手を勝ちにした」と述ベ、「一生懸命に取り組んでいる選手があまりにもふびんだ。この流れをどうしても変えなければならない」とまで訴えていた。

暴力団との交際疑惑については、鈴木俊一・五輪担当相が「反社会勢力との関係ということになれば論外。認められない」とキッパリ述べた。

林芳正文科相も「疑惑が事実であれば遺憾。まず、日本ボクシング連盟が自ら客観的な事実関係を明らかにして、適切に対応すべきだ」と促している。

山根会長は、自身の辞任は否定しながら、ようやく「第三者委員会」を作って調査を進める考えを明らかにした。

だが、山根会長を中心とする連盟の体質と、連盟内に生じた深い亀裂を考えると、信頼できる公正な「第三者委員会」の調査ができるか厳しく見なければならない。

さらに、20年東京五輪に向けた選手強化が停滞しないか、非常に心配だ。事態を早く収拾し、透明で健全なアマチュアボクシング界にする必要がある。

最近の文科省は、受難続きである。局長級幹部が汚職で複数逮捕・起訴される事態となっている。共犯で逮捕・起訴された「霞が関ブローカー」といわれる会社元役員と、ある野党の衆参国会議員との関係も取り沙汰されている。

国会議員が絡めば特捜事件となるが、背景を含めて裁判のなりゆきが注目される。いずれにしても、文科省は、襟を正して、国民の信頼回復に努めなければならない。(公明党代表)

2018年8月8日(7日発行)夕刊フジ掲載

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