米朝首脳会談の成功に期待

掲載記事2018年05月16日 (水曜日)

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北朝鮮の核廃棄と拉致被害者救出

米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開催されることが決まった。世界の脅威である、北朝鮮の核兵器や生物・化学兵器などの大量破壊兵器と弾道ミサイルを完全廃棄させるため、ドナルド・トランプ米大統領の交渉が注目され、期待も集まる。

日本をはじめとする国際社会も、いわば「解決の本命」ともいうべき米国を、一致結束して後押しすべきである。これまで、関係国間で首脳会談が積み上げられてきたが、各国の利害をこのプロセスに反映させ、米朝首脳会談を成功させるための地ならしであったといっても過言ではない。

先週9日、日中韓首脳会談が東京で開催された。朝鮮半島における、完全、検証可能で不可逆的な「核・ミサイルの廃棄」を、国連安保理決議に従って実現することで首脳が一致した。

今後、米朝会談までに、米韓、日露、G7(先進7カ国)などの首脳会談が予定される。緊密に連携を深めて、成功の環境を整えてもらいたい。

「北朝鮮の核・ミサイルの廃棄」は、国際社会共通の課題であるが、日本にとっては、拉致被害者救出という解決すべき重要な問題がある。

トランプ氏は昨年の国連総会演説で、この拉致問題に米国大統領として初めて言及するなど関心を寄せてきた。先月の日米首脳会談の記者会見でも「拉致被害者を取り戻すため、できることは何でもする」と期待以上の発言をし、米朝会談で取り上げる意向を示した。

先の日中韓首脳会談でも、安倍晋三首相から日本人拉致問題の早期解決への支持と協力を求め、中韓首脳の理解を得た。

この問題は、最終的には当事者である日本が解決しなければならない。そのために日朝首脳会談も必要となる。

安倍首相が官房副長官時代にできた「日朝平壌宣言」の精神に従い、核・ミサイルと包括的に解決すべき、このタイミングを逃してはならない。その後に、国交正常化交渉も待ち受ける。

北朝鮮が求める見返りは、制裁解除と体制保障、さらに経済発展であろうから、日本の経済支援も必要とする。だからこそ、日本への牽制もしきりである。

包括的解決への具体的な進展を見極めながら、見返りのタイミングを間違えないよう過去の教訓を生かしてもらいたい。

野党の参考人質疑は拍子抜け

野党は先週、ようやく国会審議に復帰した。大型連休前から財務省などの不祥事に反発して審議拒否し、国民からは「18連休の職場放棄」などと批判されたり、「歳費を返上しろ」「一般企業ならクビだ」などと怒りの声も出ていた。

審議復帰は歓迎するが、あれほど、柳瀬唯夫元首相秘書官(経済産業審議官)の「証人喚問」を求めていたわりには、参考人質疑での追及は拍子抜けだった。

柳瀬氏の面会経緯を追及する側は、開学した加計学園獣医学部と学生をどうしたいのだろうか。(公明党代表)

【2018年5月16日(15日発行)夕刊フジ掲載】

政府与党は謙虚な姿勢で結果を出す

掲載記事2018年05月02日 (水曜日)

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今年のゴールデンウイークは、5月1日と2日を挟んで、前半3日間、後半4日間の大型連休となった。政治家にとっても、多忙な国会日程の「水入り」ともいえる貴重な時間だ。

安倍晋三首相の中東歴訪をはじめ、海外出張をする閣僚も多い。会期が長く、閣僚出席も求められる日本は、この時期が集中的な外交チャンスとなる。ただし、危機管理上、首相か官房長官を筆頭に過半数の閣僚が国内に留まることも怠らない。

議員も同様、各国との友好議員連盟などで交流を深める機会にする。中でも、日中友好議員連盟は毎年この時期に、超党派のハイレベル訪中団を派遣している。

公明党は例年、3日の憲法記念日を中心に、記念街頭演説を全国各地で行う。私も新宿駅西口で、東京都本部所属の議員らと行う予定である。

連休前半は、リフレッシュをかねて、故郷の墓参に赴いた。亡父が茨城県日立市の「天気相談所」所長をしていた昭和43(1968)年ごろ、同じ気象庁OBで作家の新田次郎氏に「日立鉱山の煙害克服の歴史を書いては?」と薦めたことがあった。

週刊誌に連載後、単行本で出版されたのが小説『ある町の高い煙突』(文藝春秋)である。全国青少年読書感想文コンクールの高校向け課題図書に選定され、ベストセラーになった後、文春文庫に収められた。

このたび、この小説が映画化されることになり、5月から撮影開始となる。監督からシナリオをいただいたのを機に、墓前に報告してきた。楽しみな配役である。

阿武隈のまばゆいばかりの新緑に、映える野生の藤ムラサキが心をしっとり癒やしてくれた。

連休後半は、亡母が遺した短歌を整理する予定だ。新聞や歌誌に投稿した短歌の切り抜きがばらばらに箱詰めされたままだ。いつの日か、まとめて歌集にしてやりたい。

つかの間の休暇も、国会日程を思い出すと頭が重い。

前半国会は、政府の信頼を損なうような問題が続出し、安倍内閣の支持率も下落した。とりわけ、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題は、対応が後手にまわり、時代錯誤じみた弁解に、女性の嫌悪感を増幅した感がある。厳しく反省してもらいたい。

世界は「北朝鮮の非核化」をめぐる米朝首脳会談に向けて、激動している。4月27日の南北首脳会談を受けて、日米韓が緊密に結束を図っている。連休明けの9日には、日本で日中韓サミットが行われ、さらに連携を深める機会となる。

日本が当事者である拉致問題や平壌宣言を視野に、日朝首脳会談の可能性も探る重要なときである。

また、長時間労働を罰則付きで規制する働き方改革法案など、国民生活に密着した法案もめじろ押しである。

政府与党は、限られた会期を、謙虚な姿勢で結果を出していくことが信頼につながる。(公明党代表)

【2018年5月2日(1日発行)夕刊フジ掲載】

日米首脳会談で「北朝鮮の核問題」「拉致問題」の認識共有を

掲載記事2018年04月18日 (水曜日)

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いよいよ米国時間の17、18日、日米首脳会談が開かれる。

来たる米朝首脳会談に向けて、北朝鮮の核問題や、日本人拉致問題が主要なテーマとなる。4月27日の南北首脳会談や、5月9日で調整中の日中韓サミットの前に、日本の立場を、ドナルド・トランプ米大統領にしっかり伝え、認識を共有してもらう重要な機会となる。

ところで、トランプ氏は12日、ホワイトハウスで開いた会合で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)復帰の検討を、米通商代表部(USTR)などに指示した。

3月にTPP新協定に署名した日本など11カ国には朗報ともいえる。もともと、米国がバラク・オバマ大統領のもとで主導し、一旦は、12カ国で協定が大筋合意されていた。

ところが、トランプ大統領が昨年1月、TPP離脱を表明したことから、米国を除いた11カ国で、日本が綿密に調整し、協定成立に仕上げたものだ。そこに米国が加入するだけなら朗報になる。

だが、トランプ氏は「日本は長年、米国に打撃を与えてきた」と述べており、日本政府は、米国がさらなる市場開放を求めて、有利な協定修正を復帰の条件にしてくるのではないかと警戒している。

このたびの、日米首脳会談で触れられる可能性もあるが、日本としては、復帰を歓迎しつつも慎重に臨む必要がある。

いずれにしても、11カ国の新協定を早期に発効させて、結束して進むことが大切だ。

「首相案件」問題、政府は誠実に説明を

毎日新聞は13日朝刊で、森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で、大阪地検特捜部が、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官ら同省職員の立件を見送る方針を固めた模様だと報じた。

刑事事件が見送られて不起訴となると、その理由は公表されず、実態解明は財務省の調査に委ねられる。その結果に基づいて、関係者の懲戒処分や改竄防止策が決定されていくことになる。

加計問題でも、愛媛県職員が作成したとされる公文書ではない「備忘録」をめぐって、元首相秘書官の柳瀬唯夫氏(現・経済産業審議官)の発言とされる「首相案件」などの記載が問題となっている。

与党は、参考人として国会招致を決めたが、野党は証人喚問を要求して、合意が得られていない。現職の幹部公務員なのだから、まず「備忘録」の作られた前後の経緯や内容について、参考人として事実認識を聞くべきである。政府側は誠実に説明責任を尽くさなければならない。

とはいえ、この問題は、国家戦略特区として法律に基づく手続きを経て、今春、獣医学部が開学しており、この間に違法行為はない。

国際社会の激動に機敏な外交が求められ、国民生活に密着した立法措置が期待されるなか、国会は何を議論すべきか冷静に省みなければならない。(公明党代表)

【2018年4月18日(17日発行)夕刊フジ掲載】

非核化明言するまで制裁緩めず

実績レポート2018年04月04日 (水曜日)

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北「核・ミサイル」だけでなく拉致問題も包括的に

緊迫した国会審議をようやく乗り越え、新年度がスタートした。

今、外交が正念場を迎えている。北朝鮮問題をめぐって、にわかに動きが活発になってきた。中国は3月の全国人民代表大会を経て、習近平新体制が固まり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、圧倒的な得票で再選され、主要な政治リーダーの足場が整った。

中国の習国家主席は先月26日、北京を電撃訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と首脳会談を行った。伝統的な友好関係を確認するとともに、「朝鮮半島の非核化」に向けた意思も示されたといわれる。

韓国は平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に北朝鮮と接触し、「南北首脳会談」への道筋を引き出した。これを米国に報告すると、ドナルド・トランプ大統領は「米朝首脳会談」を5月に行うことを決断した。

北朝鮮は、米韓合同軍事演習を容認し、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長を平壌(ピョンヤン)に招き、東京や北京の五輪参加を示唆した。韓国芸術団の公演させるなど、「融和姿勢」を盛んにアピールしている。

こうした動きは、国際社会が結束して圧力をかけてきた成果である。

だが、北朝鮮は「核・ミサイル開発」の放棄を具体的には何も実行していない。これを踏まえて対応する必要がある。

国連は先月末、北朝鮮の制裁破りである「瀬取り」などを日本が報告したことを受け、新たな追加制裁を決定した。具体的な非核化への行動が確認できるまで、制裁を緩めてはならない。

トランプ氏に「日本の立場」理解促しさらなる結束を

安倍晋三首相は2日の政府与党連絡会議で、4月17~20日に訪米し、トランプ氏と日米首脳会談を行うことを発表した。日本の目標は、過去の失敗の轍を踏まず、完全で検証可能な不可逆的な非核化を実現することである。「核・ミサイル」とともに、拉致問題も包括的に解決しなければならない。

安倍首相には、トランプ氏に日本の立場を理解してもらい、強固な結束を図ってもらいたい。

5月上旬には、日中韓サミットが日本で開催される。4月27日に行われる南北首脳会談の内容も、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に確認できる機会になる。5月下旬のロシア訪問では、プーチン氏と日露首脳会談も予定される。

日米、日米韓が緊密に連携し、中露や国際社会と協力して、冷静に歩を進めるべきである。

ところで、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題は、野党があれほど熱望した証人喚問だったが、「誰が、なぜ」との核心には迫れずに終わった。実態解明は検察に委ねられることになる。

世論の厳しいお叱りを真摯(しんし)に受け止めなければならない。安倍首相は政府与党連絡会議で、不信を招いたことに政府の長としての責任を自覚し、国民にわびた。改竄防止策を確立し、信頼を取り戻したい。(公明党代表)

2018年4月4日(3日発行)夕刊フジ掲載

麻生氏は「改竄」真相を解明、説明責任を尽くせ

掲載記事2018年03月20日 (火曜日)

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学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書の書き換えが明らかになった。一旦、決裁を経た文書を後から書き換えて、元の文書が失われれば、国民や国会は、売却などの経緯が分からなくなり、正しい判断ができなくなってしまう。

これまで、「官庁の中の官庁」といわれてきた財務省の信頼は地に落ちた。民主主義の根幹を揺るがすものであり、歴史をゆがめる暴挙との非難を免れない。国会がこの1年、書き換え後の文書とその説明をもとに、多大な時間をこの議論に費やしてきたことになる。国会も随分なめられたものだ。

私は先週、「『財務省は何をやっているんだ。国会はもっとしっかりしろ!』というのが国民の思いだ」と何度か叫んだ。

週末のマスコミ各社の世論調査は、厳しい反応を示した。内閣支持率は、一気に10ポイント前後下落した。

週明けの19日、参院予算委員会で、この問題に関する集中審議が行われ、厳しい追及が与野党から相次いだ。

安倍晋三首相は「行政府の長として、責任を痛感する。最終的な責任は私にあり、改めておわびする」と述べた。だが、書き換えについては「理財局内の決裁文書など、(自分は)存在すら知らない。指示のしようがない」と指示を否定している。

野党は、佐川宣寿(のぶひさ)前財務省理財局長らの証人喚問を要求した。書き換えがなぜ、誰の指示でなされたか明らかになっていない。

これまでの答弁では、「佐川氏の国会答弁に合わせるために書き換えがなされた」とか、「書き換えたことを佐川氏も知っていたのではないか」と示唆するものはあるが、それ以上のことは分からない。

佐川氏を国会に呼ぶには、今は民間人であるから、国会のルールに従って、呼ぶ必要性を明らかにして、参考人か証人喚問かを与野党で決める必要がある。一方で、背任、証拠隠滅などで大阪地検に告発を受け、捜査の最中であることも考慮しながら、国会としての判断をすることになる。

野党はさらに、麻生太郎副総理兼財務相の責任も問う。佐川氏は、国会審議を混乱させた責任などで減給処分を受けたうえで、辞職した。書き換えに関わったとされる近畿財務局の職員に自殺者も出た。確かに、「役人だけの責任ではなく、大臣としての監督責任がある」との声もあろう。

麻生氏が今やらなければならないことは、財務省の信頼を回復するために、「改竄(かいざん)」を疑われる事態の真相を解明し、説明責任を尽くすことだ。そのうえで、二度とこのようなことを起こさせない態勢の立て直しを図らなければならない。

与党は、国民生活に支障が出ないように、日切れ法案などを年度内に成立させる責任も果たさなければならない。(公明党代表)

2018年3月21日(20日発行)夕刊フジ掲載

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