対北、国連制裁で解決の道を

掲載記事2017年09月13日 (水曜日)

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北朝鮮は3日、「6回目の核実験」を強行した。この核実験は、TNT火薬に換算して160キロトンの爆発力があり、広島に投下された原爆の10倍以上の破壊力を持つと推定されている。

これに先立つ先月29日にも、北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射し、北太平洋に落下させるなど、軍事的挑発を強めている。

弾道ミサイルの日本上空通過は、これで5回目となる。北朝鮮は先月9日、「(米国領)グアム島周辺に中距離弾道ミサイル4発を撃ち込むことを検討」と表明した際、「島根県、広島県、高知県上空を通過することになる」との報道もあったが、まさに、揺さぶられているのは日本なのである。

政府が国民の生命や財産を守り抜く責任があるのはもちろんだ。強まりつつある国民の懸念や戸惑いを受け止めて、早速、国会も先月30日、衆参の委員会で閉会中審査を行い、新たな非難決議を採択した。

これまで、累次の国連安全保障理事会や関係国独自で制裁決定を重ねてきた。「対話による解決」を強く訴える国もあったが、北朝鮮は、対話を求める態度を見せず、挑発行為をエスカレートさせてきた。

現状で、制裁の効果は十分ではなく、対話による解決の意思は見えない。今は、さらに効果的な制裁で圧力を強め、北朝鮮が自ら考えを変えて自制をし、外交的解決を求めるように仕向けなければならない。

国連安保理では、石油や繊維品の禁輸、北朝鮮人労働者の出稼ぎ禁止など、外貨獲得手段を厳しく制限する決議案が検討された。対話による解決を前面に出してきた中国やロシアも、北朝鮮が核実験に踏み切ったことを重く受け止め、非核化を目指すことでは、中露首脳も一致した。

安倍晋三首相は7日、ロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談し、「地域の平和と安定への脅威となっている」として、緊密に連携していくことで一致した。同じ機会に、韓国やモンゴルの首脳とも会談し、英国やフランス、ドイツの首脳とも電話会談を重ね、近く、インドを訪問してモディ首相とも連携を深める。

安保理決議を成就し、国連総会で、北朝鮮問題の解決の道を明確に訴え、日米首脳会談を行って、結束を固めてもらいたい。

山尾氏は説明責任の範を示して

週刊文春で7日、W不倫疑惑を報じられた山尾志桜里衆院議員が、事実関係を全面否定しながら、民進党離党を表明し、翌日受理された。

元検事なのだから、事実を否定するなら徹底して戦ったらどうかと思う。これまで政府や閣僚の説明責任を厳しく求めてきた論客だからこそ、「説明責任とはこういうものだ」と範を示してもらいたいとも思う。

民進党の新たな船出の時だけに残念でならない。(公明党代表)

【2017年9月13日(12日発行)夕刊フジ掲載】

茨城県知事選 大井川氏"勝因"に政権運営のヒント

掲載記事2017年08月30日 (水曜日)

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注目の茨城県知事選は27日投開票され、自公が推薦した経産省出身で無所属新人の元IT企業役員、大井川和彦氏が49万票以上を獲得し、無所属現職で7期目を目指した橋本昌氏に約7万票の差をつけて当選した。

投票率は43・48%で、知事選単独としては高い関心を反映して、前回選挙を11・74ポイント上回った。

内閣改造後初の大型地方選であり、安倍晋三政権の浮揚を図るべく、保守分裂の様相のなか、自公結束して総力戦を展開し、競り勝った。10月に予定される「衆院トリプル補欠選挙」に弾みを付けたいところだ。

国政とは直接関係ないが、選挙結果を概括すると、今後の政権運営のヒントがある。大井川氏の勝因は、「多選批判」「世代交代」を明確に打ち出したことである。

24年間の経験を誇る現職は、知名度も実績も十分である。農協や連合、多くの首長などが推したのも、その実力を評価してのことである。保守層が割れることも折り込んでの挑戦で勝つために、個別の政策よりもハッキリ差別化できるポイントを絞ったことが功を奏した。各種出口調査でも、過半数が「多選」を問題視した。

自公が結束して協力したことも大きい。

出口調査では、自民支持層が割れたとはいえ、過半をまとめ、公明支持層の8割余りを固めたと分析されている。

こうした勝因を考慮すると、今後の政権運営にあたっては、国民の大半が望むことを明確に政策目標に掲げることが大事であり、自公が結束して協力し合うことが政権の安定を生むことになる。

茨城県知事選の勝利は、安倍政権浮揚の必要条件ではあっても十分条件ではない。引き続き、謙虚な姿勢を保たなくてはならないと肝に銘じたい。

茨城県は私の出身県である。大井川新知事には、橋本県政が築いた基盤の上に、地味なイメージから脱皮して、魅力度をアップすることを期待している。

もう一つの選挙は、あまり盛り上がらない。

盛り上がりに欠ける民進代表選

民進党代表選である。9月1日の投開票日を目指して、前原誠司元外相と枝野幸男元官房長官が争っている。期待された蓮舫代表が1年にも満たず辞任したため、秋の臨時国会前に、新たな体制を構築しなければならない。

来たる政権選択の総選挙をにらんで、与党に対抗するために、共産党や小池新党との距離感が争点だといわれる。

しかし、「選挙互助の方法論」に国民の期待が集まるだろうか。焦眉の北朝鮮情勢に対応する現実的な安全保障議論は目立たないし、アベノミクスに代わる魅力的な経済政策があるのかも、よくわからない。

野党第1党の役割は重要である。民主党政権の敗因を徹底して克服しなければ、いくら見せかけを作ろうとしても、期待は戻ってこないのではないか。(公明党代表)

【2017年8月30日(29日発行)夕刊フジ掲載】

日米韓結束で北の暴挙にメスを

掲載記事2017年08月16日 (水曜日)

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3日の内閣改造から10日あまり。野田聖子総務相や河野太郎外相など、安倍晋三首相の「お友達」とはいえない閣僚起用は好感され、内閣支持率もようやく下げ止まったように思われる。

とはいえ、反転、回復とまではいえず、不支持率の方が上回っている現状であり、予断を許さない。

安倍首相は、これまでの「森友学園」への国有地売却の件や、「加計学園」による獣医学部新設、防衛省・自衛隊の日報問題など、国民の不信を招いた結果を反省し、政権奪還の原点に立ち返り、謙虚に丁寧に政権運営に努める姿勢を強調している。

江崎鉄磨沖縄・北方担当相の発言など、一部の閣僚に不安が残るが、今後、閣僚の言動は内閣の信頼回復の鍵を握る。

安倍首相は「経済最優先」を打ち出し、結果重視、仕事第一を掲げた。このたび公表された4月から6月の実質GDP(国内総生産)の伸び率は年率4・0%で、6四半期連続のプラスとなり、幸先の良いスタートとなった。

支持率回復の妙手はない。一歩一歩愚直に、国民の期待に応えていくことが大切だ。

このところ、北朝鮮情勢が緊迫している。

ICBM級の弾道ミサイルを5月と7月に相次いで発射した北朝鮮に対し、国連安保理は今月初め、石炭や水産品の取引禁止など制裁強化決議を出した。ところが、北朝鮮は「米国のグアム島周辺に中距離弾道ミサイル『火星12』4発を撃ち込む計画を検討し、8月中旬までに完成させる」と発表した。また、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験を準備している可能性があるとの米研究グループの分析もある。

ますますエスカレートする北朝鮮の挑発に、トランプ米大統領は「北朝鮮がこれ以上、米国を脅すのであれば、かつて見たことのないような炎と激しい怒りに直面することになる」と強くけん制した。

チキンレースのような挑発合戦が高じれば、不測の事態を招き、取り返しのつかない事態になりかねない。

北朝鮮は、グアム島への飛行ルートでは、日本の島根、広島、愛媛、高知の各県上空を通過すると予告しており、航空路への影響やミサイル部品の落下など可能性が指摘される。コントロールミスのリスクさえ、現実の懸念になりつつある。

防衛省は、経路下の各県駐屯地にPAC3(地対空誘導弾パトリオット)の部隊を緊急配備し、不測の事態に備える措置を取った。

中国やロシア、ドイツ、フランスなど国際社会は、米朝双方の自制を促し、冷静な対応を求めている。安倍首相は15日、トランプ氏と電話会談を行い、日米首脳の緊密な意思疎通と結束を確認した。

日米韓が結束して、挑発や脅しに屈しない姿勢を示すとともに、重要な役割を持つ中国などと連携しながら制裁決議を確実に履行して圧力を強め、北朝鮮の暴挙を思いとどまらせ、外交的な解決に導くことが重要である。(公明党代表)

【2017年8月16日(15日発行)夕刊フジ掲載】

信頼回復へ

掲載記事2017年07月19日 (水曜日)

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国民が納得する説明責任果たせ

このところ、内閣支持率が下げ止まらない。先々週の週末に行った読売新聞や、朝日新聞、NHKなど大手メディアの世論調査では、軒並み30%台まで下落した。

「森友・加計学園問題」や、「稲田朋美防衛相の失言」「豊田真由子衆院議員の暴言・暴行」などの不適切な言動が複合的に影響しているものと思われる。

これらの要因は、2日の東京都議選投票日の前から存在し、支持率下落とともに自民党惨敗をもたらした。この結果で、お灸を据えようという有権者は留飲を下げたかに思われた。

安倍晋三首相は、真摯(しんし)に説明責任を果たす姿勢を打ち出し、これに応じて国会は、10日に「加計学園」問題で閉会中審査を行うことを決めた。

それにもかかわらず、下落は続く。ただ事ではない。衆参で内閣・文部科学両委員会の合同審査を実施したものの、議論は平行線。世論はまず、安倍首相自身が説明責任を尽くす姿を見たいのだ。

私は13日、公明党の全国県代表協議会で、「政府は引き続き国民の疑問にしっかりと説明責任を果たし、国民の信頼を回復しなければならない」と述べた。この日、安倍首相の判断で、自ら出席する予算委員会の閉会中審査に応じることが決まった。

もちろん、政府内には「新しい材料がない中で、平行線を打破できるか確信が持てない」とか、「稲田氏など、他の閣僚も追及されて内閣全体のイメージダウンを招きかねない」など懸念する声もある。

しかし、「指摘があればその都度、説明責任を果たす」と述べた安倍首相が、その後、説明する機会を持たずに国民が納得するはずがない。3日の与党党首会談の際も、安倍首相は予算委員会に出席する用意があることを示していた。

この際、24日の週で調整している予算委員会の機会を生かして、与党の質問時間をできるだけ多く確保して、「森友・加計学園」問題に関する政府の整理された総合的な説明を徹底的に行うことが重要である。野党の質問にも真摯に誠実に対応してもらいたい。

他方、安倍首相は、局面を転換し、国民の信頼を取り戻すため、8月初旬に内閣改造を断行する意向を示した。近く、与党党首会談を行ってその思いのうちを確認したい。

確かに、閣僚を入れ替えて、人心一新を図ることも一案である。だが、新たなリスクを抱え込むようになっては元も子もない。適材適所で信頼を取り戻せる布陣を、ぜひ期待したい。

改造もさることながら、やはり支持率挽回のためには、安倍首相の人間関係に絡めて行政手続の適否が課題とされているのであるから、安倍首相自身が説明責任を果たし、「森友・加計学園問題」を誠実に解決していく姿勢が本筋である。

この試練を乗り越えて、内外の山積する課題に1つひとつ結果を出していくことが、国民の信頼を取り戻す王道である。しっかりと政権を支え、政治の安定を保つ役割を担っていきたい。(公明党代表)

【2017年7月19日(18日発行)夕刊フジ掲載】

自公政権「都議選を教訓に新たな試練」

掲載記事2017年07月05日 (水曜日)

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公明党は23人全員が当選

東京都議選が2日投開票された。各党が国政選挙並みの態勢で取り組んだ結果、小池百合子都知事を支持する勢力が、定数127の過半数(64議席)をはるかに超える79議席を獲得して圧勝した。わが公明党は23人全員が当選した。7回連続で全員が当選したことになる。

自民党は、都議会第1党の座を、小池氏率いる「都民ファーストの会」(55議席)に譲り、過去最低の23議席と歴史的惨敗を喫した。

一方、国政で野党の民進党、日本共産党は、積極的な国政批判を展開したが、改選前の議席と比べ、民進党は2議席減、共産党は2議席増と、ほぼ現状維持にとどまった。

この都民の下した審判を、冷静に謙虚に受け止める必要がある。

小池氏が昨年都知事に就任し、今回、その高い人気の下で率いる都民ファーストの初挑戦に注目が集まっていた。しかし、小池氏に対抗姿勢をとった自民党も盛り返し、互角の激突が展開されるかに見えた。

ところが、選挙戦の告示直前から、自民党所属国会議員の不祥事や、閣僚の不適切発言をめぐる批判的報道が相次いで噴出し、終盤まで響いた。

民進党、共産党など野党は、都議選にもかかわらず、国政批判を強めて批判票の受け皿になろうと、しきりに安倍晋三政権を攻撃した。

結果は、自民党が失った議席のほとんどを、都民ファーストが吸収したことになる。都民ファーストの候補者が、自力で得票を積み重ねたというよりも、相手のオウンゴールで浮かび上がったともいえるのだ。

いずれにしても、都議選で示された民意は、示唆に富む。そこから教訓を引き出しながら、都政が、都民の直面する生活課題に真剣に向き合い、国政と協力しながら2020年東京五輪・パラリンピックを成功させなければならない。

投開票から一夜明けた3日、政府・与党連絡会議が開催された。

安倍首相は冒頭、「自民党として、大変厳しい結果となったが、政策を前に進め結果を出すことで国民の信頼を回復していきたい。自公が一致結束して前に進んでいきたい」と語った。私は「都議選の結果は、都政に関する審判であり、国政は国政だ。政府与党が結束して国民の期待に応えていきたい」と応じた。

この後、与党党首会談を行い、改めて都議選を振り返り、国政における内外の課題を展望しながら、今後の国政運営に結束して当たることを確認した。

この間、安倍首相は「信なくば立たず」「政権発足の初心に返って謙虚に」「真摯に説明責任を尽くす」などの言葉を発してきた。

その言葉どおり愚直に取り組んで、国民の望む成果を一つ一つ出していくしか道はない。

政権が安定してこそ、国民の希望はかなえられる。自公政権の新たな試練がはじまる。(公明党代表)

【2017年7月5日(4日発行)夕刊フジ掲載】

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