関心高まった「二重国籍問題」

掲載記事2016年09月21日 (水曜日)

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蓮舫氏は説明責任を

民進党新代表に、蓮舫氏が決まった。野党第1党が、新代表の下で建設的な政策論争を挑み、政治に緊張感をもたらし、健全な民主政治が発展することを期待したい。

ただ、気になることがある。代表選を通じて、いわゆる「二重国籍」に関心が集まったことである。問題点は2つ。

日本と外国の利益が相反する場合、二重国籍者は意思決定をする立場に身を置いてはならないのが一般的なルールだ。外務公務員法は「外国の国籍を有する者は、外務公務員(外交官)となることができない」と定めている。法律こそないが、首相や外相にも当然に期待されていることだ。

また、国籍法は、22歳を過ぎて日本国籍を選んだら、それ以外の籍を離脱・放棄する努力義務を課している。

蓮舫氏は、父親が台湾人、母親が日本人で、17歳のときに日本国籍を取得したという。だが、台湾籍が残ったまま、国会議員となり、閣僚も経験し、政党の党首となった。そして、首相を選ぶ「政権選択の衆院選」に臨もうとしている。

「二重国籍」疑惑が指摘され、蓮舫氏は6日、台北駐日経済文化代表処に改めて「放棄の手続き」を申請した。そして、代表選で党員・サポーターの投票が締め切られた後の13日、「籍が残っていた」と発表した。台湾籍があるか否かを確認しないまま振る舞ってきたとすれば、政治家の資質を問われる。

もう1つの問題は、蓮舫氏が台湾籍を問われたとき、どのような言動を取ってきたかだ。

国際化が進むなか、寛容な社会が求められるということではすまされない側面がある。日本維新の会は、国会議員の二重国籍を禁止する法案を臨時国会に提出するという。まずは、蓮舫氏が説明責任を尽くすことであり、最終的には有権者の判断に委ねられる。

最近、築地市場の移転先である豊洲新市場について、主要施設の地下に「空洞」があり、土壌汚染対策のための「盛り土」がされていないことが分かり、国民注視の問題となっている。

水産物や青果などの生鮮食品を、安全に安定的に供給する市場施設の設置責任は東京都にある。大消費地に磨かれた生鮮品を扱う技術やノウハウは、世界に冠たるものだ。豊洲に引き継がれるはずだったものが、傷つけられてはならない。

これまでの説明と実態が異なっていた。不安と不信は1日も早く解消されなければならない。

まず、土壌対策を専門的立場で検証し、安全性を確保しなければならない。都に説明責任を果たさせ、情報の透明性を確立しなければならない。移転時期のズレを最小限にとどめ、体力の乏しい関係事業者の損失を抑えなければならない。

これらは、最終的には都知事の責任である。都議会も都民の立場に立って役割を果たしてもらいたい。(公明党代表)

【2016年9月21日(20日発行)夕刊フジ掲載】

中南米3カ国を公式訪問

掲載記事2016年09月14日 (水曜日)

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経済、人道、和平協力の意義〜平和外交のウィング広げる旅になった〜

去る8月30日から9月8日まで、パナマ、コロンビア、キューバの中南米3カ国を初めて公式訪問した。折からパナマは拡張した新運河が今年開通し、コロンビアは政府と反政府ゲリラが和平合意したばかり。キューバは昨年、米国との国交正常化を成し遂げるなど、まさに時宜を得たものとなった。

中南米地域の安定と日本との経済協力の進展は重要であり、日系人社会との関係からも交流を深めることは意義がある。安倍晋三首相から各国首脳に宛てた「親書」を届けるべく会談に及んだ。

パナマ経済は運河の通航料収入に相当程度依存しており、最大の支払い国は日本である。日本の船会社は外国航路の船籍を登録料の安いパナマに便宜的に置いており、積荷の行き先別でも世界第4位と、お得意さんである。

大西洋側のシェールガスを新運河の大型船通過で日本に運べるようになる。また、運河を跨ぐ中南米初のモノレールシステムを日本が供与する計画もある。現地で、旧運河2本と新運河1本を次々と通過する船を間近で見るのは圧巻であった。

パナマと日本の関係をさらに強化するために、パナマ側の友好議員連盟のリストが国会議長との会談で示され、近いうちの訪日を約した。

コロンビアは、長年にわたる反政府ゲリラとの紛争にようやく終止符が打たれた。8月25日にキューバのハバナで和平合意がなされ、10月に国民投票に付される。私が初当選間もない1993年に訪れたときは、爆弾テロや誘拐事件が絶えず、宿泊先を一晩中装甲車に護衛されたものだ。

この機運を逃さず求められているのは、負の遺産ともいうべき対人地雷の除去である。資金源となるコカインを得るため、コカ畑のまわりに地雷を仕掛け、多くの人々が犠牲になってきた。カンボジアやアフガニスタンなどで実績を重ねてきた日本製の地雷除去機の出番である。こうした人道支援が経済協力とともに必要だと実感した。サントス大統領との会談でもこれらが要望された。

キューバは遠くて近い国である。キューバ出身のプロ野球選手やラテン音楽などで親しみを覚える人も多いだろう。最近、観光客も増えている。慶長遣欧使節として伊達藩の支倉常長が立ち寄ったのは402年前。米国との国交正常化を機に日本との要人往来が続いている。

私たちが会談したのは、ディアスカネル国家評議会第1副議長やロドリゲス外相など次世代指導者である。日本企業の進出条件や経済協力の具体的案件について協議するとともに、「核廃絶を求め、コロンビア和平にも労をとったキューバこそ北朝鮮への働きかけを」と求めた。

公明党の平和外交のウィングを広げる旅となった。(公明党代表)

【2016年9月14日(13日発行)付 夕刊フジ掲載】

リオ五輪 日本選手団に感謝

掲載記事2016年08月24日 (水曜日)

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熱戦を繰り広げたリオデジャネイロ五輪が閉幕した。日本時間の22日午前8時から行われた閉会式は、カーニバルの街らしく、陽気で華やかな雰囲気に包まれた。

安倍晋三首相が人気ゲームのキャラクターに扮して登場する演出もあり、大会旗は、東京都の小池百合子知事に引き継がれた。いよいよ、2020年東京五輪を目指して新たなスタートが切られた。

競技を振り返ると、日本選手の活躍は目覚ましく、連日のメダルラッシュで大いに沸いた。メダル獲得数は、金12、銀8、銅21の計41個で、過去最多となった。

お家芸ともいえる体操、柔道、水泳が復活した。卓球やバドミントンでも新境地を開いた。女子選手の活躍も頼もしい。金メダルの半数は女子である。女子シンクロは復活の象徴といえる。

圧巻は、女子レスリングだ。伊調馨の4連覇は不滅の金字塔だし、新鋭3人の金メダルも明るい未来を感じさせる。吉田沙保里は惜しかったが、重圧に耐えての銀メダルは立派だ。世界の尊敬を集め、輝かしい後継の道を開いた存在感は、誰もが認める「心の金メダル」と言いたい。

印象に残るのは、男子体操団体の金メダルだ。予選ではミスが連発したが決勝で追い上げ、逆転勝利した粘りとチームワークは称賛に値する。内村航平の個人総合2連覇という実力の裏付けがあってのことだろう。

もう1つ、陸上男子400メートルリレーで、史上初の銀メダル、アジア新記録を獲得したことも忘れられない。100メートル9秒台が1人もいない日本チームが、米国やカナダを抑え、ウサイン・ボルト率いるジャマイカに迫ったのは快挙だ。たゆまぬ練習でアンダーハンドパスを磨き上げ、リスクを克服し、日本やアジアの人々に自信をもたらした。

日本選手の活躍は、メダルに届かなかった人も含めてドラマがある。伸び伸びとプレーし、支えてくれた人々に感謝する姿はすがすがしかった。

次回の東京五輪は「安全」「快適」「温かいおもてなし」を心がけ、五輪本来の「平和の祭典」にふさわしい大会となるよう、関係者が力を合わせることを期待したい。

尖閣周辺海域に侵入する中国公船、漁船 〜人道と国際法に従って毅然と対応を〜

最近、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海や接続水域に、中国公船や漁船の侵入が続いている。「漁船には100人以上の海上民兵が乗り込んでいる」との報道もある。11日には、中国漁船が、ギリシャ船籍の貨物船と衝突・沈没する事故があり、海上保安庁の巡視船が中国漁民6人を救助する事案も発生した。日本は、人道と国際法に従い毅然と対応すべきだ。

24日には日中韓外相会談が東京で開かれる。かつて、日中首脳は「東シナ海を平和・友好・協力の海にする」と約した。来年は日中国交正常化45周年を迎える。両国政府の大局観に立った冷静な努力が求められる。(公明党代表)

【2016年8月24日(23日発行)付 夕刊フジ掲載】

我が党は都政安定の要

掲載記事2016年08月10日 (水曜日)

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~小池都知事と「政府と都の連携」確認~

リオデジャネイロ五輪が開幕した。施設整備の遅れや反対運動、大統領の職務停止などで心配されたが、何とか予定通りに開催にこぎつけた。

南米大陸初の大会には、史上最多205カ国・地域のほか、初編成の「難民五輪選手団」も特別に参加した。開会式のテーマは「環境保護」だ。各選手が自然樹の種を鉢に入れ、緑の大きな五輪を描いた。移民国家ブラジルの歴史を題材に、先住民やポルトガル人のほか、日系移民を表現する演出もあり、情熱的で色彩感にあふれる式典となった。

日本は早くもメダルラッシュである。競泳の男子400メートル個人メドレーで萩野公介が金、瀬戸大也が銅とダブルで表彰台に上った。重量挙げ女子48キロ級の三宅宏実、柔道は女子48キロ級の近藤亜美、同52キロ級の中村美里、同男子60キロ級の高藤直寿、同66キロ級の海老沼匡が、それぞれ銅メダルを獲得した。

番狂わせもあるが、日本選手団の今後の活躍が楽しみである。

第3次安倍再改造内閣が3日発足した。麻生太郎副総理兼財務相や、菅義偉官房長官、岸田文雄外相など骨格は維持し、公明党の石井啓一国交相も留任した。目玉は、稲田朋美防衛相、世耕弘成経産相、丸川珠代五輪相などの若手である。

稲田氏は、東京都の小池百合子知事に次ぐ2人目の女性防衛相であり、女性活躍の象徴といえる。女性自衛官も増えており意義のある起用である。政調会長を経験した広い視野を生かし、挑発的な質問に乗らないように頑張ってもらいたい。

世耕氏は、官房副長官としての豊富な経験と広報センスを生かして、日本経済の国際競争力をリードしてくれるだろう。丸川氏は、組閣の翌日、リオ五輪の開会式に向かった。小池氏と、東京五輪組織委員会の森喜朗会長(元首相)の間で、痩せる思いかもしれない。

新任閣僚には、政策通のベテランも多い。「大臣適齢期」が多すぎて、報いきれないのが実情だろう。安倍首相は党首会談で「人事は苦労します。山口代表も同様でしょう」と言われた。「然り」だ。

自民党役員人事は重厚な顔ぶれとなった。二階俊博幹事長は、公明党とも縁が深い。細田博之総務会長は、選挙制度に精通している。茂木敏充政調会長は、選対委員長の苦労が報われた気分だろう。留任の高村正彦副総裁を中心に、公明党とともに、連立政権の歯車を滑らかに回したい。

小池氏は8日、就任あいさつのため公明党本部を訪れ、私と石田祝稔政調会長が出迎えた。会談では、東京五輪・パラリンピックの成功に向けて連携していくことで一致した。私からは「都政安定の要は公明党」とアピールし、「大局観に立った政府と都の連携が重要だ」と確認し合った。(公明党代表)

【2016年8月10日(9日発行)付 夕刊フジ掲載】

東京は「課題の宝庫」

掲載記事2016年07月27日 (水曜日)

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新都知事、都民の生活課題に取り組む姿勢が重要

東京都知事選(31日投開票)も、いよいよ最終盤を迎える。先週末には各種世論調査が行われたが、おおむね、「小池百合子元防衛相が一歩リード、次いで増田寛也元総務相、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が追う」という展開である。序盤と比べ、増田氏が追い上げ、鳥越氏が伸び悩んでいるとの分析もある。

鳥越氏について、読売新聞や産経新聞は、週刊文春のスキャンダル報道が影響していると示唆している。鳥越氏側は「文春記事は事実無根」と主張している。ジャーナリストであればこそ、刑事告訴だけでなく、正々堂々と言論で対抗する姿を有権者に見せてほしいものである。

増田氏は、民間人であるから政治資金を扱うことがなく、その点で問題になることがないのが、強みである。実直なところも取りえであり、今の都政に求められているものでもある。パフォーマンスは、はっきり言ってうまくない。

私は、増田氏を党で推薦した際、「23区は人口も多く、ユニークな都区制度が注目されるが、東京には三多摩や伊豆・小笠原の離島があることをしっかりインプットしてください」と伝えた。そのことを踏まえて、多摩地域の遊説にも力を入れているようだ。時間の関係で行くのは無理かもしれないが、離島の人たちもジッと目をこらしていることを忘れてはならない。

東京都は「課題の宝庫」と言ってよい。恵まれた税収を、まず都民のためにどう生かすか。国政プロパーの課題に目をそらせてはならない。何よりも、市区町村と連携して、都民の直面する待機児童や介護サービスなどの問題解決に具体的な政策を訴え、そのために国にもの申す。そうした都民の生活課題に真摯(しんし)に取り組む姿勢が最も重要である。

さて、参院選後の臨時国会が、8月1日に召集される。安倍晋三首相は3日にも内閣改造を断行するといわれている。7月11日に行った党首会談で、安倍首相は「外交など政治日程の難しい調整を経たうえで相談する」と述べていた。

落選した一部の閣僚などの交代はやむを得まい。何よりも、安定した布陣を期待したい。参院選で、与党は、消費税率引き上げ再延期を問い、今後、道半ばのアベノミクスをさらに加速し「成長と分配の好循環」を進めると約束した。これを実行する内閣の体制でなければならない。

改造までには、秋の臨時国会以後に備えて、経済対策を政府・与党で決定する。そこには、年金受給資格を得る期間を短縮する「無年金対策」などアベノミクスの効果の及んでいない人々への対策も入れ込みたい。

9月に召集される臨時国会では、経済対策を実施するための補正予算や、消費税率引き上げ再延期法、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)関連法などの審議が最重要課題となる。

それらを乗り切り、安倍首相の胸中にある課題を進める改造の準備やいかに。まだ、具体的な相談はない。(公明党代表)

【2016年7月27日(26日発行)付 夕刊フジ掲載】

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