トランプ氏の会談中止通告

掲載記事2018年05月30日 (水曜日)

4866_001.jpg

トランプ氏の会談中止

去る24日、ドナルド・トランプ米大統領は、ようやく開催日程が決まった米朝首脳会談を突如中止と通告した。朝鮮半島の緊張が再び高まるのではないかとの衝撃がかけめぐった。

これに対し、最も慌てたのは北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長かもしれない。「一方的な核放棄は受け入れられない」などと牽制したものの、もともと、核や弾道ミサイル開発を手段に米国との対話で体制保証を取り付けたかったのは、北朝鮮である。

やっと掴んだチャンスを自らの言動でフイにしては元も子もないと思い直したのだろう。仲介役を自負する韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領と26日、南北首脳会談を板門店で急遽開催した。文氏によれば「金委員長からの要請で開催し、朝鮮半島の完全な非核化と、米朝会談の成功を望む意思を示した」という。

米国が中止したのは、核実験場の爆破作業に国際的な専門家を招くとの約束を破って、検証をできなくしたり、会談準備のための連絡に応答しなかったりといった北朝鮮の態度に先がおぼつかないと感じたからに違いない。

トランプ氏は、南北会談を評価し、予定通り、6月12日シンガポールでの米朝会談を再び軌道に乗せる動きを見せ始めた。早速、米代表団を板門店に送り込み、協議に臨ませた。北朝鮮側と非核化をどうすすめるか隔たりを埋める準備が大切である。

この間、安倍晋三首相は訪ロを機に、プーチン大統領と会談し、北朝鮮の非核化を進める基本方針を確認し、米朝首脳会談の成功を後押しすることで一致した。

6月8日のG7サミットでは、トランプ氏とともに、国際社会が結束して北朝鮮の非核化に臨む意思を確認してもらいたい。

「悪質タックル問題」責任回避に終始

最近、モリカケ問題をしのいでワイドショーを席巻しているのが、日大アメフト部の危険タックル問題である。繰り返される映像を見る限り、日大側に非のあることは明らかである。

加害者選手は、会見で自らの行動の顛末を率直に語り、謝罪したことで、潔ささえ感じる。それに引き替え、辞任した前監督やコーチ、日大広報の対応は、後手にまわり言い訳に終始し、かえってイメージダウンを招く、異常ともいえる内容だった。映像や当事者の直接的な証拠があるのに、法的責任を回避しようとするかのような言動を重ねることが火に油を注いでいるように思える。

スポーツの試合中の行為を「事件化」してしまうのは、後々を考えるといかがなものか。

3週間ぶりに実戦に復帰した被害者選手が、反則した日大選手に対して「選手として戻ってきて、正々堂々とまた勝負できたらいい。フェアなプレーができるスポーツ界になってほしい」と語ったのが救いである。(公明党代表)

【2018年5月30日(29日発行)夕刊フジ掲載】

↑ページ上部へ戻る