「テロ等準備罪」成立

掲載記事2017年06月21日 (水曜日)

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一部野党の見苦しい抵抗にはあきれた

通常国会が18日閉会した。最終盤の懸案だった「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が15日に可決・成立した。この法律で、テロを準備段階で摘発し、テロ資金調達を規制して、テロを未然に防止できる。国内法が成立したので、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結することになる。

これによって、日本はすでに条約を締結している世界187カ国・地域とテロ情報のやり取りや犯罪人の引き渡しなどの国際連携を密にできる。2020年東京五輪・パラリンピックを見据えて、テロの未然防止へ万全の態勢を整え、世界の人々を迎えるために必要不可欠な法整備だった。

政府・与党は、これまでの議論を参考に、国民の誤解や不安を招かないよう3つの歯止めを掛けた。

第1に、犯罪の計画という内心ではなく、準備行為という外に現れた行動を処罰の対象とした。第2に、通常の社会生活を営む一般の人や団体ではなく、組織的犯罪集団に処罰の主体を限定した。第3に、組織的犯罪集団が関わる犯罪数を676から、現実的な277に大きく絞り込んだ。

国会審議では、質疑時間の大部分を野党に与え、委員会に所属していない少数会派の議員にも特別に質問の機会を作って丁寧に審議を進めた。

ところが、野党4党は「廃案ありき」で臨み、法相の問責決議案や内閣不信任案などを連発して審議を拒否し、「牛歩」や「女性の壁」まで繰り出して、抵抗の限りを尽くした。

これらの抵抗を1つひとつクリアするために、参院本会議は夜を徹し、木札を持って堂々巡りする「記名投票」が13回に及んだ。決められた発言時間を無視して、テロ等準備罪法案とまったく無関係の「加計学園」問題をゴチャ混ぜにして、蕩々と論ずる一部野党の態度にはあきれ果てた。

その加計問題については、文部科学省が内部文書を再調査し、安倍晋三首相が「徹底した迅速な調査」を指示した。内閣府も調査をして、その結果が、テロ準備罪法の成立後、公表された。

それを受けて、予算委員会で集中審議が16日行われた。前川喜平前文科省事務次官が先月末の記者会見で「在職中に共有していた文書で確実に存在していた」と語ったことを受け、同内容の文書の存否や内容の信憑(しんぴょう)性が議論されたが、それらは鮮明にならなかった。

国家戦略特区制度そのものが、規制官庁と規制打破官庁の激しいやりとりを想定している。そのうえで、昨年12月22日、内閣府特命担当相(地方創生、規制改革)、文科相、農水相の3者で、「国家戦略特区における獣医学部の設置」を認める合意がされた。この閣僚合意を覆す論証がなされたとはいえない。

国会は閉幕したが、報道各社の世論調査で内閣支持率を下げた。真摯(しんし)に受け止めるべきである。(公明党代表)

【2017年6月21日(20日発行)夕刊フジ掲載】

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