豊洲移転の決断、都議選の前に示せ

掲載記事2017年04月26日 (水曜日)

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東京都の中央卸売市場の中心であり、水産物の取り扱い規模で世界最大級の「築地市場」を、「豊洲新市場」へ移転するかどうかが、都政の大きな課題になっている。

小池百合子知事は昨年11月、豊洲移転を延期した際にロードマップ(行程表)を発表した。これに従い、専門家会議や市場問題プロジェクトチームによる地下水や大気の安全性などの総点検と、市場の追加対策の必要性確認などからなる手続を進めている。

確かに、あるはずの「盛り土」がなかったことや、環境基準値内に収まるはずの有害物質が上回って検出されたことは、延期したことで出てきた大事な情報である。

一方で、移転を準備していた事業者の予定が狂い、いまだに先が見えない不安定な状況に置かれていることも事実である。都民や訪日観光客などの消費者が市場の先行きに不安を覚えている現状もある。

すでに、環境基準については、専門家会議座長が「豊洲新市場の地上部分は安全、地下は科学的知見で対応可能」と述べ、小池氏も「法的に求められている点はカバーしている」と法令上の安全を認めている。もちろん、施設の耐震強度も問題ない。

都議会の特別委員会で18日、都は築地市場の移転を中止した場合、豊洲新市場整備のための国の補助金208億円を「返還することになる」との見通しを示した。返還には、10・95%の加算金も支払う必要が出てくる。

また、延期により、18日までに約44億円の費用がかかった。移転延期に伴う業者への補償費用として50億円の補正予算を組むという。

築地市場改修案が出されているが、かつて営業を続けたまま再整備に着手したが、さまざまな困難が露呈して途中で断念した経緯からすると、とても現実的な対策とは言い難い。

できるだけ早く、事業者の不安定な状況に見通しを与え、消費者の不安を取り除くことも、小池氏の重要な責任である。それで、都民に還元できる費用も生み出せる。

ロードマップの趣旨に沿って、食の安心に方向性を示し、豊洲新市場移転の決断を都議選の前に示すことが望ましい。

目に余る自民若手議員の緩み

このところ、自民党若手議員の緩みが、目に余る。中川俊直元経済産業政務官のスキャンダルが報じられた。ここで指摘するのもはばかられる、下劣な内容である。これまでも、女性や金銭に関して、自民党若手の醜聞が問題となった。

それでも内閣支持率が大きく下がらないのは、政権安定への国民の期待である。それに甘えてはならないし、これが続けば政権の体力を奪っていく。

「安倍一強」といわれるなかで、若手に緩みが出ていることを厳しく戒めたい。

(公明党代表)

【2017年4月26日(25日発行)】付 夕刊フジ掲載

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