首相は早期首脳会談を行い日米同盟の意義確認を

掲載記事2017年01月18日 (水曜日)

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20日にトランプ氏大統領就任

ドナルド・トランプ氏が20日、米大統領に就任する。これほど評価が分かれる次期大統領は珍しい。いずれにせよ、日本や世界に大きな影響を与えることは間違いない。

就任前からツイッターで、トヨタ自動車に厳しい言及を浴びせ、メキシコへの工場建設を牽制した。「指先介入」と眉をしかめる人もいるが、「従来の政治の常識は通じない」と腹をくくった方がよさそうだ。

大統領選勝利後初の記者会見(11日)も、一部メディアにケンカ腰だった。当選直後、トランプ氏は「国民の大統領になる」と宣言し、米国の分断回避や君子豹変を期待させたが、就任までお預けのようだ。

米国の雇用を増やし、インフラ整備を進めることで米経済が成長すれば、日本にもいい影響が期待できる。日米同盟を堅持し、西太平洋の平和と安定に積極的に対応してほしい。レックス・ティラーソン次期国務長官と、ジェームズ・マティス次期国防長官も、その基本認識を共有していることは心強い。

しかし、中国と過度に摩擦や緊張を高め、経済に影響を与えることがないよう注意が必要だ。

安倍晋三首相は早期に日米首脳会談を行い、日米同盟の意義をはじめ重要な基本事項を確認することが大切だ。また、議会の役割も重要であり、共和党にも働きかけなければならない。関係各国とも連携して対応することにも心がけたい。

慰安婦像問題 韓国政府の良識ある対応望む

韓国・釜山の日本総領事館前に昨年末、慰安婦像が設置された。明らかに、日韓合意やウィーン条約に反し、国際的に許されないことである。

日本政府は、韓国政府の対応を促すため、駐韓大使ら一時帰国させ、日韓通貨交換(スワップ)協定再開の協議中断などの対抗措置をとった。私も、帰国した大使らから状況報告を受けた。

韓国政府も国際的に孤立しかねないと理解している。黄教安(ファン・ギョアン)首相は「言動は自制することが望ましい」といい、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は「公館前に慰安婦像を置くのは国際関係上よくないことだ」と述べた。

一昨年の日韓合意は、韓国政府の強い意向に基づき両国の努力によって出来上がったもので、米国も支持した。日本政府は合意に従って10億円を韓国側に交付し、誠実に履行している。

朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾にさらされている理由は、合意とは無関係で、影響を受けない。慰安婦像増設の動きは、政権打倒や次期大統領選の政治的意図から、韓国世論を感情的に煽っている印象も受ける。

心配は、日本の世論が引いてしまうことだ。

在日本大韓民国民団の呉公太(オ・ゴンテ)団長は「慰安婦像を撤去すべきだというのが在日同胞の共通した切実な思いだ」と語った。ヘイトスピーチと戦ってきた在日同胞とバックアップしてきた韓国政府、それを配慮して超党派で対策法を成立させた日本の国会、いずれの苦労も無にしかねない。

韓国の政府および政治家の良識ある対応と、日本政府の冷静な行動を求めたい。(公明党代表)

【2017年1月18日(17日発行)付 夕刊フジ掲載】

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