来日ドゥテルテ大統領と米比同盟の重要性共有

掲載記事2016年11月02日 (水曜日)

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三笠宮崇仁親王殿下が先月27日、心不全で薨去(こうきょ)された。100歳を超え、さらなるご長寿を願っていたところであり、誠に残念でならない。大正天皇の第4皇男子で、天皇陛下の叔父にあたられ、先の大戦を軍人として経験した唯一の皇族であられた。

戦後は、昭和天皇及び今上天皇を支えられ、国民の平和と福祉を願われて行動された。国際親善や文化、芸術、スポーツの振興にも尽くし、皇族としての重要な役割を果たされた。

古代オリエント史の研究者としても著名であり、私の妻の母校で教壇に立たれていたことがあり、学生からは「ざっくばらんで親しみを覚える」印象だったと伝えられている。

皇室行事で拝見した折は、いつも背筋をピンと伸ばされていた。生き方そのものに筋が通っておられたように思う。謹んでご冥福をお祈りしたい。

さて、フィリピンのドゥテルテ大統領が先週来日し、26日夜、首相官邸で開かれた、安倍晋三首相主催の晩餐(ばんさん)会にお招きいただいた。大好きな和食に舌鼓を打ち、全テーブルを回って、あいさつを交わし、記念撮影に応じるサービス振りだった。

ドゥテルテ氏といえば、過激な反米発言を繰り返して気をもませている。訪中前も、訪日後も収まる気配がみられない。

とはいえ、安倍首相は首脳会談と少人数会合を通じて、日米同盟の大切さや米国のアジア・太平洋での重要性を伝え、日米及び米比同盟の重要性の認識を共有するに至らしめた。その際、ドゥテルテ氏は「米国と外交関係を断ち切るわけではない」と発言し、フィリピンからの米軍撤退には触れなかった。

また、南シナ海の問題では、先の訪中を意識してか、「難しい問題で、今は語るべきではない」としつつ、「仲裁裁判所の判決に基づいた話しかできない」として、判決内容を尊重する意思を示した。「法の支配の下、国際海洋法条約に基づいて平和的に解決したい」として、外交的解決を強調した。

また、「日本はフィリピンと同じようなことに見舞われている。われわれは常に日本の側に立つつもりだ」と述べ、日本に寄り添う立場に、安倍首相は謝意を示した。

経済協力では、日本の累積額が他を圧倒している。中国を含め近隣国との摩擦を避け、経済協力をどの国からも引き出したいと言うのが本音であろう。会談で使ったキーワードを外れないよう祈るのみである。

同席したアルバレス上院議長は私に対し、「日本は、以前の支配者とは違い、フィリピン人に勤勉さを教えてくれた。感謝している」と語った。ドゥテルテ氏の心情に沿うものと受け止めた。

国会は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をめぐる衆院審議が大詰めだ。すでに採決に熟す審議時間の目安とされた40時間を超え、60時間に達している。丁寧に採決を迎えたい。(公明党代表)

【2016年11月2日(1日発刊)付 夕刊フジ掲載 】

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