サミット 世界経済の危機回避でG7結束

掲載記事2016年05月31日 (火曜日)

2009_001 - バージョン 2.jpg伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)が26、27日、開催された。日本は議長国であり、安倍晋三首相は大いに存在感を発揮した。

直後には、オバマ米大統領を案内して、被爆地・広島を訪問したことも相まって、内閣支持率は大きく上昇した。

サミットの課題は、世界経済をはじめ、テロ、難民、貿易、インフラ、保健、女性、サイバー、腐敗対策、気候変動、エネルギーなど多岐にわたる。成果は、強固で持続可能な均衡ある成長に貢献するための「伊勢志摩経済イニシャティブ」にまとめられた。

中心的テーマである「世界経済」について、活発な議論が交わされた。首脳宣言では「世界経済の回復は継続しているが、見通しに対する下方リスクが高まってきている」との認識を共有し、「新たな危機に陥ることを回避するため、全ての政策対応を行う」こととした。G7の首脳が、このような共通認識を持って結束したことは大きな成果である。

党首会談で私から求めていた、シリア難民支援や地域の将来を担う留学生のわが国への受け入れについても、5年間で150人と大幅に拡充することになった。

私も、サミットに際して、招待されていた国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長など、国際機関の長と会談する機会を得た。

特に、世界銀行のキム総裁との会談では、世界経済の持続的成長のために世銀と日本の協力の必要性を確認し、エボラ出血熱などの感染による公衆衛生危機に対応する資金調達の仕組みを作ることや、環境や防災などに配慮した「質の高いインフラ」が成長を促すこと、8月のアフリカ開発会議(TICADⅥ)を成功させることなどを語り合った。

これらサミットの結果を受けた会見で、安倍首相は「世界経済の成長に貢献するため、日本として何をすべきか、消費税率引き上げの是非も含めて検討し、夏の参院選の前に明らかにしたい」と語った。

安倍首相は早速28日から、麻生太郎副総理兼財務相や、谷垣禎一幹事長をはじめとする自民党幹部に対し、「消費税率10%引き上げを2年半延期する」と伝え始めた。私と30日に行った党首会談でも、同様のことが伝えられた。私の意見を首相に述べたうえで、即答はせず、「公明党のなかで相談する」と引き取った。

6月1日の会期末が迫るなかでの、急展開である。アベノミクスは成功し、税収増という成果を出している。その成果を生かしながら「成長と分配の好循環」を確実なものとするために、再延期の是非を検討しなければならない。最終的に、国民の理解を得られるように政府・与党で合意することになる。

いずれにしても、夏の参院選は民意を問う重要な機会である。「政治を安定させて、力強い政策実現が大切だ」と強く訴えたい。(公明党代表)

【2016年6月1日(31日発行)付 夕刊フジ掲載】

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