民進党の態度に疑問

掲載記事2016年04月13日 (水曜日)

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TPP特別委の審議を途中退席

民進党は8日、衆院TPP特別委員会の審議を途中退席した。国土交通委員会や消費者対策特別委員会までも審議に応じず、国会を止めてしまった。民進党は、自ら要求した資料が黒塗りで出てきたことから「隠蔽だ」と批判し、衆院TPP特別委員会の西川公也委員長の議事運営を「不公平だ」と抗議している。

そもそも、TPP交渉は、民進党の前身である民主党政権下で始まったものだ。菅直人元首相が所信表明で交渉入りを宣言し、野田佳彦首相が参加を表明した。政権交代後の安倍晋三首相のもとで、こうした外交交渉の経緯を踏まえて、日米首脳会談を経て正式に交渉参加に至った。

参加した12カ国がそれぞれの事情を抱えて、交渉は難航を極めた。日本も守るべき国益を掲げた国会決議を背景に厳しい交渉に臨んだ。日程がずれ込むなか、原理的主張との間でギリギリの妥協を重ねながら、ようやく妥結にこぎ着けた。

世界のGDP(国内総生産)の約4割を占める巨大な自由貿易圏の誕生は、今後の国際通商の標準モデルとなり、日本の経済成長の起爆剤になる重要なものだ。

だからこそ、どのように国益が確保されたのか、経済成長にどう生かせるのか、懸念される農林水産業の対応をどうすればよいのかなど、突っ込んだ議論を具体的に丁寧に審議していくことが望まれる。

ところが、民進党は、国民が望む議論はさておいて、パフォーマンスに余念がなさそうだ。機微に触れる外交交渉のやりとりは、さまざまな影響を配慮して「公表しないのがルール」である。政権を担当した議員が多い民進党は百も承知だ。

黒塗りの資料を、テレビにこれ見よがしにかざして「隠蔽だ」と演出するのはどうか。交渉内容の概要は、その都度、資料として公表されており、重ねると10センチにも及ぶ。

西川委員長の議事運営に、民進党は一方的に難癖を付けているように見える。根拠が不確かで、理事会で認められなかった資料に基づく民進党の委員の質問に、石原伸晃TPP担当相が答弁を控えたのは当然である。西川委員長が、民進党の委員に質問続行を促したことが「不公平だ」といって退席するのは、理不尽なサボタージュと映る。

5日の衆院本会議でのTPP質疑に、民進党議員の欠席が目立ったのも、真剣に議論しようという姿勢を疑わせる。時間を空費するよりも国民のために審議の機会を生かしてもらいたい。

山尾氏は説明責任尽くせ

ところで、民進党の山尾志桜里政調会長の「政治とカネ」の疑惑が晴れない。なかでも、「地球5周分」とされたガソリン代疑惑は、秘書が処理した可能性が高いと釈明しながら、明確な根拠を示していない。

山尾氏は元検事である。甘利明前経済再生担当相の秘書の不祥事に対し、議員辞職を求めたことを思い起こし、説明責任を尽くしてもらいたい。

(公明党代表)

【2016年4月13日(12日発行)付夕刊フジ掲載】

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