戦後70年、近隣諸国と真の「和解」を

掲載記事2015年08月11日 (火曜日)

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まもなく、戦後70年目の8月15日を迎える。戦争の犠牲となった方々を心から追悼し、今日の安定と繁栄を築いた先人の努力に感謝し、今後とも続く平和を世界の人々とともに祈りたい。

広島では6日に「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」が、長崎では9日に「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が行われた。安倍晋三首相は「非核三原則を堅持しつつ、『核兵器のない世界』の実現に向け、国際社会の核軍縮の取り組みを主導していく」とあいさつした。唯一の戦争被爆国として、首相とともに責任を共有したい。

今日、平均年齢80歳を超えた被爆者を含め、戦時体験者の声は貴重である。戦後生まれの私は、学徒出陣の父、勤労奉仕に明け暮れた母から体験を聞いた。戦死した叔父もいる。故郷の茨城県日立市は空爆と艦砲射撃で壊滅した。1トン爆弾の不発弾を展示した、すり鉢状の大穴の遺構があった。米軍機の機銃掃射をかいくぐった教師の話も聞いた。

悲劇を繰り返さないために、戦争の悲惨な実相を知り、後世に伝え残さなくてはならない。同時に、日本が国策を誤り、アジアの人々に侵略や植民地支配による多大な苦痛と損害をもたらしたことも忘れてはならない。

戦後、わが国は日本国憲法の下に、自由と人権を重んじ、民主主義を育て、平和主義と国際協調に徹する道を歩んできた。悲しみや苦難を乗り越えて、懸命に努力した先人のおかげで、復興を成し遂げ、高度成長を経て今日の繁栄を築くことができた。これを支えてくれた米国をはじめとする多くの国々の協力に感謝しなければならない。

戦後の日本の歩みに自信を持ち、これからも誇りを胸に進んでいきたい。そのためには、日本人一人ひとりが、これまでの歩みを虚心に省みて、近隣諸国との真の「和解」を成し遂げ、安定した未来の関係をつくりあげる努力をしなければならない。

安倍首相は14日に「戦後70年談話」を発表する予定だ。かねてから、談話を出すにあたっては「公明党とも相談していく」と語っていた。首相は7日、私や自公両党の幹事長、菅義偉官房長官と懇談の機会を持った。その際、談話の内容を説明し、公明党の意見を参考にして、14日に閣議決定することを明言した。

公明党側からは「安倍首相は『歴代内閣の談話を継承する』と言ってきたのだから、その意味が国民にも国際社会にも伝わるようにしてください」と述べ、「中国、韓国と関係改善に資する内容にしていただきたい」と要望した。首相の説明と、われわれの考え方に大きな隔たりはないと感じている。

6日には、安倍首相が依頼した有識者会議「21世紀構想懇談会」(西室泰三座長=日本郵政社長)がまとめた報告書が公表された。首相の談話はこの報告書をベースにしている。

歴代内閣の談話を継承しつつ、後世の人々が内外ともに納得できる談話を期待したい。

 

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