相次ぐ「政治とカネ」問題

掲載記事2015年03月11日 (水曜日)

国民が求める「正しく直す」姿勢

150310zubatto.jpg国会では「政治とカネ」の問題に関する指摘が相次いでいる。特に、「国から補助金を受けた企業や団体は1年間政治活動に関する寄付をしてはならない」(政治資金規正法第22条の3)とされており、寄付を受けた政治家の政党支部などがやり玉にあがった。 

野党はここぞとばかり追及を始めたが、寄付は与野党の議員多数に及んでいたことが分かり、尻すぼみの観がある。指摘を受けた政治家の説明は、補助金を受けて1年以内の寄付であることを「知らなかった」というものが多い。

規正法は、企業側には「寄付をしてはならない」、政治家側には「知りながら受けてはならない」とのルールを課している。確かに、政治家本人にしてみれば、寄付を受けたことは分かっていても、相手の企業が国から補助金を受けて1年以内であることは知らないこともあるだろう。

ただ、補助金で利益を受ける企業が政治家側に寄付することは、国民の目からは「企業側の目的は、補助金を受け続けたり、増やしたりすることを求めるためではないのか」と映り、「政治家側としては、補助金の維持拡大に手を貸すためではないか」と疑う。こうした不明朗な寄付を止めさせようというのが法律の趣旨である。

政治資金規正法は、悪いところを正しく直すという意味で「規正」としている。政府が制限を設けて取り締まる「規制」ではないところが重要だ。政治資金に関わる当事者が、国民の目から見てマズイところを、自ら進んで正しく直すことが期待されているのだ。

今回取り沙汰された一連の指摘は、寄付も補助金もすべて公開された情報からなされている。いわば「包み隠しなく」公表したら、結果的にマズイことになってしまったのである。「裏に隠れて」法の網をかいくぐったものではない。

「追及」と意気込んだバツの悪さからか、一部の政党は、やれ「法改正が必要ではないか」とか、「企業団体献金を禁止すべきだ」とか、やや筋違いの方向にすり替えようとしている。

国民の信頼を得られる政治献金にするのは難しいことではない。企業側は、寄付も補助金も両方の情報を知る立場にあるのだから、ルールに反する寄付を断ればいい。政治家側はルールを分かっているのだから、1年以内に補助金を受けているかを確かめて、寄付を辞退すればいい。「正しく直す」姿勢が問われているのである。

ところで、先週末の「鳩山由紀夫元首相がクリミア訪問を検討」という報道にはびっくりした。ロシアは昨年、ウクライナ南部クリミア半島の独立とロシア編入を一方的に宣言したが、日本を含む主要7カ国(G7)は承認していない。外務省は「ロシアの主権容認との誤解を招くし、渡航延期勧告も出している」として、計画の見直しを求めている。

「元首相」の立場を考えれば自重すべきだ。

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