テロ防止は国を挙げて

掲載記事2015年02月12日 (木曜日)

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イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件は、湯川遥菜さんに続き、ジャーナリストの後藤健二さんも殺害されたとみられ、厳しい結果となった。交換交渉の対象とされていたヨルダン空軍パイロットの犠牲も伝えられ、彼らのご冥福を心からお祈りしたい。

いずれも残虐極まりない蛮行であり、激しい憤りを感じるとともに、厳しく非難されなければならない。このような行為は今後とも断じて許されるものではない。

後藤さんの殺害映像が公開された翌日(2日)の早朝、政府与党は緊急連絡会議を開いた。私は、与党を代表して政府の対応を支持するとともに、①海外の邦人安全確保・適切な情報提供②国内の出入国管理などの水際対策③国内重要施設および公衆の集まる場所などの警備-などに、万全の対策をとるよう政府に要請した。

また、テロ防止のために国際社会と連携した対応が重要であり、引き続き日本が中東地域に行ってきた伝統のある人道支援を今後も行う必要があることにも言及した。広い視野で、テロの温床となる貧困や抑圧を根絶していく取り組みが必要である。「人間の安全保障」の理念に基づく国連など、国際機関の活動を支援していくことも忘れてはならない。

5、6日には、衆参国会で、全会一致の「非難決議」がなされ、テロ行為に対する与野党のコンセンサスが形成された。これを機に、これまでの政府の対応を振り返って教訓を引き出すとともに、在外公館の情報収集機能の強化や邦人安全確保の官民連携などにも取り組んでもらいたい。

9日から、トルコでG20(主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開幕したが、「イスラム国」などに対するテロ資金対策の強化も議論されることになる。実効性ある内容を期待したい。

さて、自民党は、憲法改正推進本部の船田元(はじめ)本部長が安倍晋三首相と会い、来年の参院選後の憲法改正発議を目指すことを確認したと報道された。自民党は結党以来、自主憲法制定を目指してきた政党であり、改正草案も用意している。

国民投票法が昨年、一部改正されて手続的に整備されたことから、「自民党総裁」として、安倍首相が憲法改正発議に言及することは当然といってよい。ただし、憲法改正発議ができない「行政府の長たる首相」の立場では、憲法尊重擁護義務に基づいて慎重な発言をしている。

今後は、国会での憲法審査会などでの議論に委ねられるが、各党各議員の考え方は多様であり、改正の具体的テーマも3分の2の合意形成も見通せる状況にない。公明党は「加憲」を主張し、現行憲法は良いものとしたうえで、新しいものを加え、さらに良くしようというのが基本である。

衆院で3分の2の合意をつくることも簡単ではないし、参院ではもっと難しい。国民の理解を得て議論の成熟を進める以外にない。

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