臨時国会後半戦 前向きな"地方創生"議論を

掲載記事2014年11月05日 (水曜日)

141104zubatto1.jpg臨時国会はいよいよ後半戦に入った。「地方創生国会」だったはずが、前半戦は「政治とカネ」に議論が費やされてしまった。大誤算である。

当初は、閣僚の問題が追及され、2人が交代した。国会審議を本来の軌道に戻し、担当閣僚の行政執行を前に進めるための安倍晋三首相の決断だった。内閣支持率は大きな下落を免れ、これで収束するかに見えたが、なおも新たな問題を指摘して議論は続いている。

ここに来て、民主党の枝野幸男幹事長や維新の党の江田憲司共同代表など、野党幹部の政治資金の問題も浮上してきた。こうしたなか、先月30日に衆院予算委員会で集中審議が行われた。

質問に立った枝野氏は、わが身の問題も顧みず閣僚の「政治とカネ」の問題に斬り込んだ。案の定、ヤジの反撃に遭い、答弁者からも逆指摘がされた。「泥仕合」との報道もなされ、論戦は期待ハズレに終わった。4日の参院予算委員会の集中審議に期待したい。

「政治とカネ」の問題はおろそかにできない。閣僚は説明責任を尽くし、野党は個別事案の追及だけでなく、本質的な課題解決の議論を深めるべきである。限られた会期のなかで、今求められるのは、国民生活の不安を拭い、希望を見いだす前向きな議論である。

「与野党とも、こぴっとしろし」(=山梨の言葉で『しっかりしなさい』の意)との声が聞こえてきそうだ。

地方創生の国会審議がようやく始まった。アベノミクスの効果を全国津々浦々まで及ぼすため、東京一極集中を是正し、地方の活力を引き出し、日本全国が元気を取り戻さなければならない。

先日、福島県川内村を訪れた。福島の原発事故の被災地である双葉郡の一角で、10月1日、北東部の避難解除準備地域の指定が解除されたばかり。わずかの居住制限区域を残すのみとなり、人口も被災前の6割近くまで回復した。

仮設住宅は避難目的を終えた後の居住を想定した造りになっており、別に、災害復興住宅も建設が進む。来春には複合商業施設もオープンする。新しい雇用の場として、タイル工場や植物工場も稼働し始めた。

この植物工場は、ノーベル物理学賞で注目された青色LED照明も使い、10種類、日産3000株のグリーン野菜を出荷している。野菜を採取し、食卓に提供できるようにする作業には人手を要する。いずれ、生産も雇用も倍増する予定だという。

また、大規模な風力発電施設を誘致し、2つのメガソーラー発電施設を作ることになった。これらは、福島が再生可能エネルギー自給100%を目指し、双葉郡を新エネルギー技術革新の創造地とする「イノベーションコースト構想」の一翼を担うこととなる。

いわき市や郡山市などの中核市にも近く、豊かな自然や温泉、そば、イワナなどを生かした観光と教育や医療などの双方向交流も期待できる。

過酷な被災地だからこそ、全国に先駆ける創生のトップランナーとして蘇ってほしい。

↑ページ上部へ戻る