災害リスクコミュニケーションの大切さ

掲載記事2014年10月08日 (水曜日)

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臨時国会で掘り下げた質疑を

長野、岐阜県にまたがる御嶽山の噴火災害から10日となる。戦後最悪という火山災害の犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災したみなさまには心からお見舞いを申し上げたい。二次災害が懸念されるなか、懸命の捜索活動に従事している関係者に深く敬意を表し、どうか、いまなお行方不明の人々の捜索に最善を尽くしてもらいたい。

広島市の土砂災害に続く痛ましい被害である。以前にも指摘したが、災害に関する情報の送り手と受け手の「災害リスクコミュニケーション」の大切さを感じる。

私の父は62年前、気象庁の技官から転じて、茨城県日立市役所の「天気相談所」の責任者に任じられた。地方自治体として日本初の気象業務を行うに際し、ローカル気象サービスの専門家を必要としたからである。

赴任間もなく、市民に対する気象情報サービスの新たな役割を知ってもらおうと、市が主催して天気相談所開設を記念した「気象展」を開催した。父がガリ版刷りで作ったリーフレットには「気象の災害防止の知識はこの1日で!」とあった。

市民が毎日関心を持ちながら、そのままにして災害を迎えてしまうことに警鐘を鳴らしていた。台風、地震、津波、雷などに関する観測機器、図表、映画、専門家の講演などを交えて、当時としては精いっぱいの災害リスクコミュニケーションを試みたのである。

災害情報を発信する側がいかに適切に伝えるか。情報を受けた側がどのように被害を回避するか。ハード・ソフト両面にわたる防災・減災の取り組みが今ほど必要な時はない。

この臨時国会では、土砂災害防止法や災害対策基本法の改正が議論される予定であり、災害リスクコミュニケーションのあり方について、掘り下げた質疑を期待したい。

また、地方創生が国会の主題となるが、政府のお仕着せであってはならない。役所の縦割りを排した、大胆な施策に挑戦する論議をしてもらいたい。地方が主体であり、その自主性を生かす取り組みが大切だ。私の代表質問に、安倍晋三首相は「地方に足を運んで、声を聴いていく」と答弁した。その姿勢を歓迎したい。「人が生きる、地方創生」でありたい。

女性の活躍の具体策も問われよう。年末の消費税率引き上げ判断に向けて、経済状況の実態認識や必要な経済対策にも及んでもらいたい。11月、北京でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に前後して、中韓両国との関係改善や、日米関係強化の視点も重要だ。

気になるのは、香港の学生デモの行方だ。民主政治の伝統が若い世代に息づいていることに、世界の注目が集まっている。当局も強権的な対応だけでは、世界の失望を招くだろう。長引く混乱は、市民生活に支障をきたし始めているだけに、双方の対話による平和的な解決が求められている。

いずれにしても、政権与党として、国民のニーズを論戦に反映させ、政権をしっかり支えて政策実現に努めたい。

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