広島・土砂崩れの現場視察

掲載記事2014年08月27日 (水曜日)

〜政府、自治体は積極的な情報提供と対策を〜

140826zubatto.jpg広島市安佐南区、安佐北区で先週20日未明、1時間に120ミリもの猛烈な雨による土砂崩れが、複数個所で発生した。死者・行方不明者を合わせると90人近くにのぼる。悪天候が続く中で、警察や消防、自衛隊などによる懸命の捜索活動が行われている。

大都市近郊における突然の大災害に驚いた。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、多くの被災者の方々に心からお見舞いを申し上げたい。いまなお、行方不明の人々の一刻も早い救出を願っている。

私も23日、現地を視察し、捜索活動を妨げないよう配慮しながら、現場の実情を調査し、被災者の声を聞いた。また、広島県の湯崎英彦知事から状況説明を受け、政府・与党への要望も聞いた。私からも被災者への迅速かつ丁寧な当面の支援を知事にお願いした。

今回の特徴は、3つほどの条件が重なっていることだ。

1つ目は、広島湾から北上する湿った空気がその通り道の山沿いで雨雲を発達させ、異常な集中豪雨を局地的にもたらしたことだ。土砂崩れの起きた場所を地図に記すと線のようになる。

2つ目は、山地の土質が「まさ土」と呼ばれる、花崗(かこう)岩の風化によってできる崩れやすいものであったことだ。急峻(きゅうしゅん)ないくつもの沢の出口が小さな扇状地となって連なり、その傾斜地に住宅地が開発されてきた。被害はいずれも沢の出口付近に集中している。

3つ目は、午前3時ころに急激な集中豪雨となり、就寝時間と重なり避難が困難な時間帯であったことだ。

広島県では、1999年にも集中豪雨による土砂崩れ災害があった。それを機に、翌年、土砂災害防止法が制定され、「警戒区域」や「特別警戒区域」を指定する仕組みをつくった。

これによって、土砂災害の危険個所を周知し、警戒避難体制を整備し、特に著しい危害が生じるおそれがある場合は、開発や建物の構造を規制するなどの対策を取れるようにした。実際に、広島県は真っ先に指定を実施したが、全国での指定は十分に進んでいない。

このたび、政府は法改正を視野に、都道府県が指定を促進できるように、制度や運用のあり方を見直す方向だ。

最近、ミクロの気候変動現象とそれに伴う災害が増えているように思える。政府や自治体が情報提供や対策を積極的に推進する必要がある。その一方で、国民の方々も情報を的確に入手し、難を避ける準備をする日ごろの心構えをお願いしたい。

東日本大震災や笹子トンネル崩落事故などを経験し、公明党は「防災・減災ニューディール」を提唱した。人口減少時代に対応し、社会インフラの老朽化対策を優先し、避難態勢や高齢者、女性などに配慮した支援などソフト対策も重視した内容は、「国土強靭化基本法」に結実している。

いずれにしても、公共、民間ともに災害リスクコミュニケーションが重要な時代だ。

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