クリミア「対話による平和的解決」目指せ

掲載記事2014年03月26日 (水曜日)

'14.03.26 本音でズバッと1.jpgオランダ・ハーグでの核安全保障サミットに合わせて、日米韓首脳会談が開催される。私はこうした多国間国際会議の場を利用して、「積極的に対話の機会を模索すべきだ」と提案してきたが、ようやく突破口が開いた思いだ。

安倍晋三首相は、早くから核サミットへの出席に意欲を示していた。日韓首脳会談の可能性も視野に、斎木昭隆外務事務次官を韓国に派遣して調整を試みてきた。韓国側の態度は硬く、首脳会談実現のための条件を提示したものとみられる。

安倍首相は「河野談話の見直しは考えていない」と国会で明言し、小学校の教科書検定結果公表も先送りして環境づくりに配慮した。われわれ与党も核サミット前の20日に2014年度予算を成立させ、首相を送り出せる日程を整えた。

背景には、オバマ米大統領が、核サミットこそ北朝鮮の核問題で共通の課題を持つ日韓両国の関係改善のチャンスと見て、両国首脳に働きかけたことがある。4月には日韓両国を訪問するため、日米韓の結束を促すことができるという読みもあろう。

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、ここまでおぜん立てができて拒否するのは得策でないとの判断からか、「幸いである」として、首脳会談を受け入れた。とはいえ、「慰安婦問題で日韓局長級協議を検討中」とアピールしたり、日米韓首脳会談の前に、中国の習近平主席と会談するなど、韓国の立場を確保することも忘れなかった。

安倍首相には「未来志向の日韓関係へ向けての第一歩」として、大局的な立場で安定した関係を創造するために、日韓首脳会談に至る努力を重ねてもらいたい。

核サミットを機に、もう1つ、重要会議が開かれた。

ロシアによる、ウクライナ南部クリミア自治共和国とセバストポリ特別市の併合をめぐっての、日本を含む先進7カ国(G7)首脳会議だ。

クリミアでは今月半ば、ロシア連邦への編入の是非を問う住民投票が行われたが、ロシア軍が実効支配する中での投票は有効性が疑問視されている。ウクライナが核兵器をロシアに移転して放棄するのと引き換えに領土を保全するとのブダペスト覚書や、ウクライナとロシア間の国境不可侵を決めた条約などの国際約束にも反している。

クリミアをめぐる複雑な歴史と利害からくるロシア側の言い分を連ねたとしても、現在の国際社会では、いかなる理由があっても「力による現状変更は許されない」ことは明らかである。

本はG7の一員として「法の支配」と「対話による平和的解決」を目指すべきである。日露関係の足踏みは免れないとしても、安倍首相はプーチン露大統領との関係を生かして、制裁の応酬による相互損失のスパイラルを回避する道も視野に置いてもらいたい。

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