ウクライナ情勢 緊張緩和へ粘り強く対話

掲載記事2014年03月12日 (水曜日)

本音でズバッと11日掲載.jpgウクライナ情勢が緊迫している。2月の政変で、ヤヌコビッチ大統領は政権運営から外れ、暫定政権が発足して、5月に大統領選挙を実施するとしている。

欧州の影響を受ける西部に比し、ロシア語を話す人が多い東部、とりわけクリミア半島には、ロシア黒海艦隊の港湾や空港などの拠点がある。ロシアの関心が極めて高く、実効支配を強めようとする動きがある。

こうした動きの下で、ロシア系住民が6割といわれるクリミア自治共和国は、最高議会がロシア帰属を決議し、16日には住民投票が行われる予定である。

日本を含む先進7カ国(G7)は「首脳声明」を出し、ロシアがウクライナの主権と領土の一体性に違反することを非難し、国連憲章とウクライナ・ロシア間の地位協定に違反するものとして、国際監視団などで対処する用意を示している。また、すべての当事者に自制と責任を持って行動し、緊張緩和することを求めている。

日本政府は、ロシアとの間で北方領土問題を解決し、平和条約締結を目指す立場から、安倍晋三首相がプーチン首相と首脳会談を重ねるなど関係強化を図ってきた。それだけに、欧米諸国と強調しつつも、難しい対応を迫られる。

日本は、力による一方的な現状変更を認めない立場から、「主権と領土の一体性」を確保し、外部からの圧力によらないウクライナ自身の選択を尊重すべきである。特に、平和的な解決を目指して、「自制と責任を持って」対話に努め、緊張を緩和していく粘り強い取り組みが必要だ。

当面、ロシア南部ソチで6月に開催予定の主要国(G8)首脳会議をにらみながら、ロシアと欧米の駆け引きが続く。日本は、同盟国・米国の努力を評価しながら、積み上げてきた日露関係がウクライナ問題で台無しにならないような独自の対応が求められる。

ともあれ、経済的な相互依存が強まっている国際社会で、「冷戦期」に戻るような動きは断じて避けなければならない。

今国会の予算委員会では、集団的自衛権をめぐる論戦がしばしば展開されている。安倍首相が主体的な問題意識で、これまでの政府の憲法解釈を変更して、禁止されてきた集団的自衛権の行使を容認しようとする議論に挑戦しているからだ。

安倍首相の下の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の報告書が、そろそろまとまりそうだ。安倍首相は先月25日、私に対して「報告書が出たら、与党にも議論していただく機会をつくります」と述べた。

こと憲法解釈に関わる重要な判断は、政府だけで行うのではなく、与党の議論を経て政府与党で合意を形成していかなければならない。閣議決定が必要かどうかも含め、与党の議論のなかで検討することになるだろう。

そうしたプロセスに備えて、公明党がこれまで依処してきた政府の憲法解釈を、新人議員も含めてキチンと共有しておくことが出発点となろう。

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