「軽減税率導入」首相に提案 猪瀬知事は説明責任尽くすべきだ

掲載記事2013年11月27日 (水曜日)

先週19日、安倍晋三首相と昼食をともにしながら懇談した。

その際、消費税10%引き上げにあたっての低所得者対策として、私は「軽減税率を導入すべきだ」と説明した。安倍首相は導入の明言こそ避けたが、「山口代表の話はしっかり承った」と話していた。

消費税の「逆進性」を緩和する対策として、民主、自民、公明の3党合意では、3つの選択肢、すなわち、「簡素な給付措置」「給付付き税額控除」「軽減税率」が示された。

10%に引き上げて恒久的な負担を求めるからには、一時的な「簡素な給付措置」では不十分だ。「給付付き税額控除」の実施には、納税者番号制度など納税者の所得を把握するための制度が整っていなければならず、とても間に合わない。

そうなると、「軽減税率」を導入するのが現実的である。それを踏まえて、自公与党は今年1月、「年末に結論を得る」と合意済みである。

あらゆる世論調査で、「軽減税率」の導入を望む声が7、8割に上っている。国民の支持は明らかだ。問題は、消費税の納税事務を行う事業者に手間をかけることだ。与党が実施したヒアリングでは、事業者団体の過半数は「軽減税率」の導入に反対した。

しかし、事務負担を背負う事業者に反対が強いのは無理からぬことだが、圧倒的な国民の支持を優先すべきである。むしろ、事業者の事務負担を軽くする制度設計に努力すべきだろう。

消費税は国民の反発を受けた挫折の歴史でもある。国民の理解なくして税率引き上げはあり得ない。「軽減税率」の導入で「税収が目減りするから反対だ」というのは、国民の理解を無視するものだ。

「軽減税率」の対象は、国民に分かりやすいことが大切だ。新聞や書籍も、国民の「知る権利」を具体化する報道の役割を考えれば、「民主主義の必需品」として検討に値する。

まずは、低所得者対策として「軽減税率」の導入を今年末に決め、次に、事業者の事務負担にも配慮した制度設計を検討し、経済の動向を見ながら10%引き上げの是非を首相が判断するという、段階的決定を行うべきである。

さて、東京都の猪瀬直樹知事が昨年の知事選の直前、医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受領し、今年9月に強制捜査が及んでから、これを返していたことが判明した。猪瀬知事は「無利息、無担保で個人的に借りた」と主張している。

かなり前の話になるが、数億円の供与を受けて豪邸を建てた国会議員がいた。追及されるや「無利息で借りた」と弁明したことを思い出す。「借用書もない。利息もない。いつ返すかも決めていない。しかも、議員の歳費では返済不可能。それは、世間では『借りた』のではなく、『もらった』というのですよ」と切り返されて、しどろもどろだった。

猪瀬知事には説明責任を誠実に尽くしてもらいたい。

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