山本、猪木両氏の行動に閉口 国会議員は社会の規範たれ

掲載記事2013年11月13日 (水曜日)

最近、ホテルやデパートの食品偽装問題が問われている。消費者の信頼を裏切る、許しがたい行為である。改めて、関係者のモラルを問い直すとともに、食品表示法などの法規制強化を含めて再発防止策を確立しなければならない。

翻って、日本人の順法精神が希薄になっているのではないかと思わせる出来事が相次いで起こった。山本太郎、アントニオ猪木両参院議員の問題である。

山本議員は10月31日、赤坂御苑における「秋の園遊会」で、お招きいただいた天皇陛下に対し、文書を手渡したことが問題となった。

園遊会では、天皇、皇后両陛下や皇族の方々が園内をめぐられ、各界を代表する人々に、ごあいさつをされる。かなりの労を要するものであり、お疲れになられることと拝察する。天皇陛下の御身を案じながら、皇后陛下も寄り添っていらっしゃるように感じる。

参加者は誰もが同様のことを察しているため、こちらからお話しかけることは控えている。まして、文書をお渡しして、労をわずらわせるようなことは論外だろう。

国会議員は社会の規範たることを期待される立場でもある。今回のことが放置されれば、みんながまねをして大混乱を招きかねない。この程度の良識が働かないとしたら、議員たる資格を疑われる。かくして、参院議長が山本議員を「厳重注意」のうえ「今後の宮中行事に参加をさせない」こととした。

アントニオ猪木議員は、参院の許可を得ないで北朝鮮に渡航したことが問題となった。

出席すべき本会議などが予定されるので、海外渡航は参院議院運営委員会の了承を必要とするルールになっている。実際、本会議が予定されていたが、所属する「日本維新の会」にも、参院にも了承を得ず渡航してしまった。過去にも同様のことがあり、手続きを知り抜いたうえでの、ルール無視である。

何しに訪朝したかが問題ではなく、ルールを作る国会議員が度重なるルール無視をすることが問題なのである。参院の「懲罰委員会」で審議することになる。

先週から特定秘密保護法案の審議が始まった。一部に反対が根強い。国民の「知る権利」は民主主義の根幹であり、「報道の自由」も尊重される。その基本に立っても、国民の安全保障のために重要な情報を限定して秘密にすることは否定されないだろう。テロリストにも情報をオープンにしろと国民が望んでいるだろうか。「安全を確保しよう」「テロを防ごう」と協力しあう友好国が、苦労して得た情報を容易に漏らしてしまう国に伝えるだろうか。

一定の秘密が肯定されるなかで、「知る権利」との接点が模索される。建設的な議論を期待したい。

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