成長戦略実行へ「合意」橋渡し 臨時国会

掲載記事2013年10月16日 (水曜日)

臨時国会が15日召集された。12月6日までの53日間、政府・与党は「成長戦略実行
国会」と銘打ち、アベノミクスの「第3の矢」を実行に移す法案を審議する。

安倍晋三首相はもともと、法律で決まっていた「消費税率引き上げの是非を判断
しなければならない運命」にあった。そのためには、「経済の好転」と「社会保
障の全体像」を示すことが前提となっていた。

経済の好転を図るため、「経済再生」を安倍政権の最優先課題に掲げ、アベノミ
クスでデフレ脱却の道筋を描いた。社会保障の全体像は「社会保障国民会議」の
議論を経て、その報告を待つこととした。

臨時国会を前に、いよいよ消費税率引き上げの判断時期を迎えた。アベノミクス
の先手が功を奏し、経済の好転が確認できた。社会保障国民会議の報告書も出さ
れ、社会保障の全体像も示された。この2点を確認して、安倍首相は消費税率引き
上げを決断した。

デフレ脱却の道のりを考えると、成長戦略を確実に実行に移さなければならない
。東京五輪招致という「第4の矢」の幸運にも恵まれた。こうした経済成長を持続
させてデフレ脱却を図るとともに、消費税率引き上げによる景気の腰折れを防ぐ
ための「経済対策」もやる必要がある。

臨時国会では、企業の事業再編や統合を進める「産業競争力強化法案」や、地域
を限定して規制緩和を促す「国家戦略特区法案」などの成長戦略関連法案、医療
・介護などの改革実施時期を明らかにした「社会保障プログラム法案」が目玉と
なる。

このほかにも、首相官邸に外交・安全保障政策の司令塔を整備する「日本版NS
C創設関連法案」や、国家機密を漏えいした公務員らへの罰則を強化する「特定
秘密保護法案」、前国会で廃案となった発送電分離など電力システム改革を柱と
する「電気事業法改正案」、ソマリア沖の海賊対策として日本船籍の船に民間の
武装警備員の乗り込みを認める「海賊海域警備特別措置法案」も提出される。

臨時国会での審議を踏まえて、年末には経済対策のパッケージを、税制や補正を
含む予算を通じて実行していくことになる。地方や中小零細企業にまで及ぶ産業
の活性化を図り、賃金や雇用を回復させて、購買力を増やす好循環をぜひとも実
現していきたいと思う。

日本が「衆参ねじれ」を解消して、経済再生を加速させる一方、米国では上院と
下院がねじれ状態にあり、財政協議が難航している。予算が成立せず、連邦政府
機関の一部が閉鎖を余儀なくされる深刻な事態に陥っている。17日がデフォルト
(債務不履行)を回避できるかの限界といわれ、世界経済への影響が懸念されて
いる。

先月の訪米の折、「不毛なねじれはもうたくさん。日本のように合意を取り持つ
、第3の政党が必要だ」という識者がいたことを思い起こした。

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