離島振興支援:八丈島の漁業とヤギを救え!

 

八丈島管理のヤギ視察「ヤギが漁業に深刻な被害を及ぼしている!」

2002年(平成14年)、党の東京都本部代表であった私のもとに、八丈島の町議から漁業被害の報告が入りました。

はじめは耳を疑いました。ヤギと漁業の関連性が結びつかなかったからです。よくよく話を聞いて、ようやく理解ができました。原因は八丈島の西4キロに浮かぶ八丈小島にあったのです。

八丈小島は、1969年に過疎化に耐えかねた島民が離島して以来、無人島になりました。そのとき残された10頭ほどのヤギが、野生化して800頭にまで異常繁殖していたのです。

そして、島の植物を食べ尽くし、地表がむき出しに。もろくなった土砂が崩れて、海に流れこんでいました。沿岸には伊勢エビやトコブシの漁場が広がっていましたが、漁獲量が減少するなど、なんと20年にもわたって、深刻な漁業問題を引き起こしていました。

離島振興は、私のライフワークと思い取り組んできたことですが、その中で実感したことは、想像もできないような離島ならではの悩み、問題があるということです。だからこそ、現場に足を運び、話を直接うかがわなければ、事の深刻さや、問題の本質が分からないと確信しています。

7月、都議・町議とともに視察団を構成し、実情を調査しました。

実際に、ヤギが急斜面の崖をものともせずによじ登り、草を根こそぎ食べている様子、むき出しになった地表を目の当たりにし、一刻も早く解決しなければと思いました。漁業関係者や、八丈小島に住んでいた方々にも話を聞き、最善の方法を検討しました。

国・都・町、どのレベルで実施するのが住民にとって最善の道か――こうした検討ができることも、公明党のネットワーク力の強みでもあります。

党も一体となって検討を重ねた結果、ヤギは八丈島に移し、保護・飼育していくことが最善の方法であるとの結論になりました。

国会でも問題を取り上げ、都と町に改善策を要請。捕獲・移送費用を、町に予算として組み入れることができました。そして、八丈小島の植生回復への道筋をつけることができたのです。

今後も、植生の復元と漁場が再生するまで、関わり続けていこうと思っています。

この八丈小島のヤギの話を題材に、児童文学作家の漆原智良さんが、「風になったヤギ」(絵・横松桃子、旺文社刊)という絵本を書かれました。その後、女優の早見優さんの朗読でミュージカルにもなっています。

作者 漆原智良さん の声

作者 漆原智良さん

八丈小島のヤギ問題に、積極的に取り組んだのが公明党でした。この問題を知った同党の山口那津男参院議員をはじめ、東京都や八丈町の公明議員の皆さんが、視察団を結成し、現地を訪れて実情を視察したのです。また、八丈小島で生活をしていた元住民の声にも耳を傾け、意見を聞いてくれました。

 

この問題で、国会議員や都議会議員が、全国初の全員移住の島・無人島へ"上陸"したのは公明党が初めてだったと、地元でもニュースになりました。公明党が、国会や都議会でこの問題を取り上げてくれたことで、一気に行政の具体的施策に反映され、繁殖し続けるヤギの保護や、八丈小島の緑の回復へ見通しが立ちました。

 

ある意味で、人間の身勝手さが引き起こしたとも言えなくはない八丈小島のヤギ問題。私は、この問題を通し、「今まで人間の視点でしか、生き物や自然を見つめていなかったのではないか」という思いにかられ、ヤギの思いを想像し、ヤギの視点から童話を書いてみようとペンをとりました。

 

今回の八丈小島の問題については、一日も早く緑したたる島に蘇ることを願い、今後も経過を見守っていきたいと思っています。

(公明新聞 2003年12月11日付)

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